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もしかしてうちも…毒親の基準はどこから?毒親の定義や特徴を徹底解説

毒親というワードが流行してからというもの、多くの場所でこの言葉を見聞きするようになりました。

たとえば「うちの親も毒親かも?」「私って毒親なのかも?」といったように、自分の育った家庭や自分自身の子育てのあり方を見つめなおすときなど。

「毒親」とは、簡単に言えば子供にとって毒になる親のことです。明らかな虐待や過度な過干渉には及ばないけれど、子供の心を洗脳してコントロールしてしまう親を意味します。

ただその一方で、その定義は非常にあいまいなので「いったいどこからが毒親のレベルに入るのだろう?」という疑問を抱えてしまう人もいます。

それだけでなく「自分も毒親になるのではないか」「自分はすでに毒親だ……」という悲観的な思いを抱かせてしまうことも弊害となっているように感じます。

この記事では、毒親とはどこから、どんな基準で判断するのかというテーマでお話をしていきたいと思います。

毒親ってどこから? 毒親の定義・特徴とは

毒親の定義は、いくつかの説にわかれています。専門家によって、微妙にニュアンスが異なりますので、いくつかの例をあげてみましょう。

ネガティブな感情を使って子供をコントロールする親

毒親と呼ぶべき定義は「心理的コントロール」の傾向があるかどうかです。

主に言葉によって、子供の心を洗脳してしまうのが毒親唯一の特徴だともされています。ロンドン大学の心理学研究チームは、毒親の定義として唯一あげられるのは「子供の心を、ネガティブな感情を使ってコントロールしてしまう親」という見解を示しています。

ネガティブな感情を使う、とはどのようなことを指すのでしょうか。

  • 罪悪感をもたせる
  • 恥の気持ちを植え付ける
  • 劣等感を与える
  • お金や立場を使って子供を見下す

このような具体的特徴があります。

「お前にいくらお金をかけていると思っているんだ」「お前のせいで恥をかかされた」「そんなことをするなんて、お前は恥ずかしい人間だ」「お前のせいで離婚できない」「お前はあの子に比べてダメだ」

ほんの一例ではありますが、このように「どんなことも全面的に子供が悪い」という上下関係を作りあげてしまうことで、子供の心を洗脳してしまうのです。

親もときには感情的になってしまうものです。しかし、感情的になること自体が毒親的要素なのではありません。感情的になった理由をすべて子供のせいにしたり、自分のいらだちや上手くいかないことを正当化するために、子供を使ってしまうというところが怖いところなのです。

厳しいだけの場合、毒親の定義には当てはまらない?

厳しい親と毒親の違いは、子供の「行動」をコントロールするのか「心」をコントロールするのかの違いにあります。

  • 門限が厳しい
  • 口うるさい
  • 勉強しなさいと言う
  • 怒るとガミガミ言う

このような、口うるさい親、厳しい親によくあることは、行動コントロール傾向が強いです

子供の行動に対して、口を出したり厳しい決まりを作ったりするということであり、子供の心理を操作しているわけではありません。心理操作がない場合、子供は「親ってウザい」「親と接するのがめんどくさい」というような、思春期や若者特有の感情をもつようになることが多いでしょう。

しかし、反対に毒親に育てられた人は「親に申し訳ない」「親が悲しむのが嫌」「自分がもっと頑張れたら」という感覚に陥りやすいです。

子供の行動は親がある程度管理しなければなりません。そのやり方の上手い下手に差はあるかもしれませんが、行動を管理するのと、子供の心を支配するのはまったく別であるということは大事なポイントではないでしょうか

愛情不足と毒親は違う?

愛情が足りないのと、毒親的養育をするのは違った問題だと考えています。

毒親は、子供を支配してしまうため子供に構わなかったり、関心を示さなかったりするわけではないケースが多いです。逆に、スキンシップや愛情表現はたっぷりあるという場合も少なくありません。もしくは、子供が愛情を欲しているときに与えてもらえず、逆に欲していないときに愛情を押し付けてくるといった場合もあります。これは、子供の気持ちが置き去りになっていて、親の自己愛が勝っている状態です。

一見愛情表現が不足していない場合、子供は「自分は愛情を受けて育った」という気持ちを少なからずもっています。しかし、心が親にコントロールされているので、自然な振舞いができなかったり、人との距離感がつかめなかったりします。

愛情を受けて育っているという自負があることにより、自分がなぜ生きづらいのかという原因がわからなかったり、親に嫌悪感をもつ自分をさらに責めたりする状況に陥りやすく、より複雑な心理状態になっていきます

虐待はどこから?毒親との違いって何?

個人的な見解になりますが、誰がどう見ても虐待だと思えるような行為は、毒親という言葉の示すものとは少し違っているように感じます。ただ、子供の成長や成人後の人格に大きな悪影響を与えるという点では、虐待親も毒親も同じです

毒親の特徴でもある「過干渉」は、別名「優しい虐待」などともいわれています。一見、子供のことを思って、子供のためを思ってやっているように見えますが、実は子供の主体性をつぶしてしまい、後々回復するまでに長い期間を要することがあります。

虐待行為や育児放棄といったものが行われていても、親が自分の虐待行為を正当化するような言動をする場合、毒親的要素が強まるのではないでしょうか。

  • 「お前が悪いことをしたから食事を与えないのだ」
  • 「親に恥をかかせたから、叩かれるのは当然だ」
  • 「お前は何もできないんだから、親に物事の決定権があって当然だ」
  • 「養われている以上、親に逆らってはいけないのだ」

このように、本来は適切でない養育をしてしまっている事実を「子供のせい」にしてしまうのが、いちばん怖いところなだと感じます。

「子供をストレスのはけ口にしている」というよりは「自分の親としての責任を放棄して、子供に全て押し付けている」という状態の方が、毒親の定義としては適切ではないかと感じます。毒親の場合、子供と親の立場が逆転しているのですが、そこに「親だから何を言っても、何をやってもよい」という、間違った理屈づけをしてしまっているのです。

どこからが毒親に当てはまるかを知ることは、とても大事です

毒親は医学用語ではないため、100%の判定をすることはできません。しかし、定義や特徴を正しく知っておくことは、自己理解や、子育ての悩み改善に役立ちます。

毒親のゾーンを広くとってしまうと危険?

毒親を広い意味で使ってしまうと、「毒親になるのではないか?」という不安に縛られてしまう人が増えます

現に「どこからが毒親なのだろう?」と疑問に思ったあなたも、不安になっているのではないでしょうか。

毒親と、厳しい親や感情的になりやすい親などを混同してしまうと「自分は毒親に育てられた」と勘違いしてしまう人、また「自分は毒親なのだ」と思い込んで苦しくなってしまう人が増えます。

毒親という言葉は、人を不安にさせるために作られたものではありません。親によって心理的コントロールを受けていた人に気づきを与えるために、スーザン・フォワードという心理学者が1990年出版の書籍で書いた言葉なのです。

現代では、毒親という言葉が流行したことにより、言葉だけが独り歩きをしてしまい、間違った解釈も広まっているように感じます。毒親とはどんな特徴があり、どのような定義をもって使う概念なのかを知らないと、危険なことになりかねません。

「いい親にならなくちゃ」と思いすぎることが毒親を生む?

毒親は「いい親にならなくてはいけない」という強迫観念から生れることも多いです

たとえば、親の立場を使って自分のことを正当化するところや、子供をネガティブな感情で支配するのは「自分はいつも良い親でいなければいけない」という、強迫的な考えかたから発展しやすいためです。

子供の心をコントロールしていても、理不尽な振舞いや発言をしていても、それはすべて「あなたのため!」と言うことによって、いい親である自分を保とうとするのです。

ただ、いい親であるために子供を支配するのは、親自身の自己愛が強すぎる状態です。自己愛とは、自分を大事だと思う心、自分を愛する心であり、誰しもがもっているもの。しかし自己愛が強すぎると、相手の気持ちや立場を完全に無視してしまうことも。

いい親でいることよりも、子供と自分がお互いに、バランスよく尊重されなければ良好な親子関係は築けないのです。だからこそ「毒親になりたくない!」「毒親になったらどうしよう」という不安を抱きすぎてはいけないと考えます。

毒親が子供に与える影響はどのくらい?

毒親の影響というのは非常に大きなものです。洗脳やマインドコントロールにも近いため、歪んだ考え方や対人関係での問題を抱えやすくなるのは確かです。

ただ、だからといって毒親に育てられた人は、ずっと歪んだ精神で対人関係が苦手なままなのか、というとそんなことはありません。また、自分が子供に対して、ネガティブな感情を使ってしまうことがあったとしても、そのせいで子供が一生不幸になるわけでもないのです。

親の影響より、友達関係の影響の方が強い

人の性格は、生まれ持ったものと環境要因によって決まります。しかし、環境要因の影響の中でもより強いのは、親よりも友達なのです。

一卵性双生児研究では、同じ遺伝子をもった子どもが別々の家庭で育てられた場合、性格にどのような違いが生じるかを調べ結果が出ています。

親から受け就いた遺伝的な影響は、30~50%程度。仮に遺伝要因が50%だとしたら、残りの45%が友達関係、さらに残った5%が親の育て方の影響だとされています。

つまり、毒親に育てられたとしても、その分良質な交友関係を築いていくことができれば、毒親の影響を跳ねのけて楽しく人生を歩むことができるということになります。逆に、毒親に育てられた上に、友達関係でもつらい経験を重ねたり、引きこもりがちな状況が続いたりすることで、精神の状態が悪くなるということも、あり得ると推測できます。

毒親がどこからかを判断するときは、慎重に。自覚したら適切なケアをしていく。

毒親の定義や特徴、また虐待や愛情不足、厳しい親との比較などから解説しました。

本当に毒親問題で苦しんでいる人にとっては、このワードや事例に出会うことがひとつの救いになるでしょう。

しかしその一方で、毒親の定義を間違って解釈してしまうことで思わぬ弊害をもたらしてしまうこともあると、私は危惧しています。

どこにでもいる親だと思っていたら、毒親だったケース。毒親かもしれないと思ったら、どこにでもある光景だったケース。毒親の基準がどこからなのかを知ることは、その両者にとって大切な発見になると私は考えています。/Kandouya編集部


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