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【Xジェンダー】女であることが嫌。その理由は性別の「枠」にあった!?

あなたは自分の性別に、100%納得していますか。

筆者は、どうしても男性になりたいというわけではありませんし、男性と結婚して子供を設けています。でも、自分が「女」であることにコンプレックスを感じたり、男性として人生を楽しんでみたいという願望がものすごく強い人間です。

一般的に知られている「性同一性障害」では、まったくありません。LGBTのどれにも当てはまらない。でも、なんでか「自分は女です!」と自信をもって言うのが嫌だなという感覚を隠しながら、ずっと生きていました。

そこで「Xジェンダー」という概念があることを知り、ものすごく救われたような気持ちや、世界が広がるような感覚になった、というお話をしていきたいと思います。

女という性別がしっくりこないまま30歳になった私

私は幼いころから、男の子と遊ぶのが好きでした。でも、やっぱり女の子は女の子と遊ぶのが普通という感覚は、知らず知らずのうちに植え付けられていくもので、女の子のグループに入って遊ぶことの方が多かったように思います。

また、母親が「女の子らしい服」を着せたり「女の子はこうでしょ!」「女の子なのに恥ずかしいでしょ!」という教育を厳しくする人だったこともあって、性別に関する固定観念のようなものが強いという自覚もあるんですね。

でも、子供の頃ってこういう漠然とした「違和感」に気づかないもので、思春期まで私は自分の中にある男性的な部分を打ち消していました。

思春期になると、私はネットを通じて友達と話をするようになります。2000年前半の頃は、インターネットはチャット全盛期でした。HPの中にはチャットコーナーがあって、チチャット専用サイトというのも数多くあった時代でした。

ハンドルネームや、アカウント名だけのやりとり。そこで私は、自然に「男性的な言葉」で話していることに気づいたのです。

自分の顔も、服装も、声も、まったく気にせずに話すとき、自分の中の「男性」が出る。そして、それが異様に心地よく、自由で、楽しくて……。

選ぶ音楽、ファッション、色んな部分で自分の中に「男性性」が強いことを認識し始めました。しかし、恋愛対象は男性でした。そういう私を受け入れてくれる人がいたというのはすごくいい縁でしたが、恋愛や結婚、子育てをする中で「結局自分は女なんだ」ということを突き付けられる感覚があるのもまた事実なんですね。

でも「男性でも女性でもある」「男性でも女性でもない」という枠をもたないXジェンダーの概念を知ったときに「自分だけじゃない」という感覚と「これだ!」という強い希望が見えたのです。

Xジェンダーって何?

Xジェンダーは日本で生まれた新しい性自認の概念です。

男性の部分と女性の部分、用法を持ち合わせていると感じる人や、私のように「女である」という事実に納得できない人はXジェンダーであると自覚していいのです。

性同一性障害のように「診断」を受けるようなものではなく、自分の中の枠組みを取り払うための考え方です。

そのため「ここからここまではXジェンダーですが、あなたはそれには当てはまりません」とハッキリ言える人もいないということになります。

ただ、自分の中で「男でも女でもなくていいんだ!」「完全に女だと思わなくていいんだ!」とわかるだけで、あなたの心の中はすごく楽に自由になるのではないでしょうか。

Xジェンダーの4つの分類

Xジェンダーに特別な定義づけは必要ありませんが、大きく分けると4つのパターンがあるとされています。

中性:男性と女性の中間

両性:男性と女性、両方の部分を持っていて変動する

無性:男性でも女性でもどちらでもない(性別の概念がない)

不定:上記のどれにも当てはまらない人や、決めたくない人、そのときの気分やTPOによって変わる人など多岐に渡る。

このように、Xジェンダーの中でもその感覚には無数のバリエーションがあります。

ちなみに私はこの中でいうと、無性です。

男だから好き、女だから好きという概念がありません。性別への枠組みへの拒否反応が強いため、分類されることに違和感を覚えているのかなと思う部分があるためです。

自分がどの分類であるかや、明確な定義ができないことは確かです。自分がXジェンダーと思えばそう自認していいものです。ただ、「なんとなく」でXジェンダーを名乗ることは危険です

性自認はとてもデリケートな問題なので、簡単に結論付けることもできないし、それを公にすることへのリスクもあります。

性別のくくりによって、自分が「強い生きづらさ」を感じたときに、Xジェンダーという概念を取り入れ、深く理解してしこうとする姿勢も大事なのではないかと考えています。

さまざまな影響によって性自認は変わる

4つの分類の中にも出てきたように、TPOに合わせて性自認が変化する人や、気分によって男性よりの日もあれば女性っぽい日もあるのがXジェンダーです。

これってすごく重要なことだと思います。

人は、さまざまな環境や人の影響を受けて生活しています。それは、生まれてから今までずっとです。その中で影響を得たもの、憧れたもの、好きだと思うもの……それが、ひとりの人間を作っていますよね。

また「好き」だけではなく「嫌い」も同じです。こうなりたくない、こういうのは嫌い……そういったネガティブな印象をもつような物や事柄を遠ざけるのもまた、人間です。

すると、昔は女性らしかったけど、歳を重ねるごとに男性性が強くなることもあります。一方、昔はヤンチャでおてんば娘だったのに、しっとりした女性らしい大人になる人もいる。

また、今日はボーイッシュで男性っぽいファッションがいいけど、昨日は少し女性らしいスカートスタイルで出かけた。そういうことだって、あるはずです。お菓子作りも好きだけど、好きな音楽はハードロックだっていいわけです。性別の枠を超えて、どんな要素も取り入れて選べるって素晴らしいことではありませんか。

ただ、世の中の枠組みやイメージ的に「私がこれをやるのっておかしいかも」「いい歳してこんなファッションをするのは変かも」「周りの人に、あの人は変わっている」と思われるかも。そういった不安が、私たちを性別の枠に閉じ込めて、可能性を奪っているという側面はあると感じています。

Xジェンダーの私は、女性性の強い男性に惹かれ、男性性の強い女性に惹かれる

ちょっとここで、おもしろいなと思う発見をひとつお話しますね。

私は、男性性の強い女性ですが、昔から惹かれる男性はすべて「女性性の強い男性」です。見た目も、男気溢れるマッチョな人は苦手で、中性的で柔らかい雰囲気の人が好きです。外見だけでなく、内面的にも、女性性の強い男性に魅力を感じます。

そして、同性の友人で意気投合するのは必ず「男性性の強い女性」です。自分に似ているから合う、というのも当然なのかもしれません。

しかし「女性性の強い男性」と「男性性の強い女性」と、自分を組み合わせたときに、男女の性別のバランスが見事に整うんです。

私が、男っぽい女ですから、男っぽい男の人だとバランスがとれません。また、男っぽい女と、女っぽい女だと女性要素が強すぎるので、これまたバランスが偏ります。

人の相性や好き嫌いといったものも、実は性別バランスをとりながら選んでいる部分があるのかもしれない。そう思ったら、自分の中の「男性と女性のバランス」をしっかり見つめることって、人間関係においてもすごく大事な自己分析なんじゃないか、とも思うわけです。

女なのに男っぽくてはダメ、と考えるのは根本から間違っている。「私は男っぽい部分があるから、女っぽい男に惹かれるんだな」と、理解して認めるプロセスがものすごく大事なのではないかと考えています。

Xジェンダーにとって、性別とは「クラス分け」のようなもの

私は、自分の性別は「クラス分け」のようなものだと考えています。みんな〇〇学校の生徒だけど、その中でもクラスを分けないと日常の活動に支障が出るから「仕方なく」分けている。Xジェンダーにとっての性別も、そのようなものだと考えるようにしています。

私は生物学的には女性だし、社会的には妻であり、母親です。

でも、私は「自分」という人間でしかなく、色々な顔や気持ちをもっていて当然なんですよね。ただ、それを周囲の人が見たり聞いたりしたとき「普通じゃない」「ちょっと変な人」言われることが怖い。だから今までずっと、男性的な部分を隠そうとしたり、女性という性にコンプレックスを感じたりしてきたのだと思います。

あくまでも、性別は社会生活を流していくためのものであって、その枠に閉じこもって自分を殺していいわけじゃない。

私は私のままでいよう。そして、あなたはあなたのままでいてほしい。

もしも、自分の性別に完全な自信を持てなかったり、コンプレックスや違和感をもつことがあったら、このように考えてみるのもひとつ案ではないかなと、思っています。/Kandouya編集部

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