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「声を上げないと、助け船がこないんです」HSS型HSP、chicchiworksさんの”枠にはまらない夫婦”の形《取材》

「chicchiworks」ちづるさん・ケンゴさん

kandouya編集部で注目している「HSS型HSP」の人たち。

HSPという気質そのものが認知されてきている中、そのイメージはまだまだ”生きづらい”といった人生のハンディという見方が強い。でも、より深く知っていけば素晴らしい才能であることに気付く人も増えるはずだ。

今回、新しい試みとして、この記事をきっかけに知り合ったHSS型HSPの気質を持つ「chicchiworks 」のお二人を取材した。厳密に言えば奥さんがHSS型HSP。

ご主人は非HSPでありながら、夫婦でこの気質と共に生きることを受け止め、日々、生き方や働き方を考えながら、多方面で活躍できるマルチなタレントを目指している。

この記事では、よく言われる「当たり前」や「普通」というものを取り払って生きる「夫婦」の形、HSS型HSPの人が抱えるリアルをお伝えしていきたい。

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《HSS型HSP》好奇心と、生きづらさの狭間で揺れるご夫婦

HSS型HSPは、表面的に見ればとても多彩な能力を持ち、キラキラしているようにも見える。

リア充、いきいきと輝いている、有能でなんでもできる子。そんな声をかけられることも多い希少な気質だ。

しかし、そんなパブリックイメージとは裏腹に、見えないところでは常に生きづらさや、「普通」という概念の中ではポテンシャルを発揮できない…そんな苦悩を人知れず抱えている。

「本当は人一倍生きづらさを抱えているのに、声をあげないと助け船がこないんです」

奥さんのちづるさんは、最初に連絡を取り合ったときから、筆者にこう吐露していた。

それでも気さくで、心を閉ざしているわけでも、暗いわけでもなく能動的。そんなちづるさんと、HSS型HSPである奥さんを支えるご主人のケンゴさんの間には、全く隙のない二人の空気感、あたたかいオーラが漂う。

「不安」「飽きる」という一方で「なんでもやればできる」

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ちづるさんは独創性の高いアクセサリー作家でもあり、インスタグラマーでもあり、音楽家でもありYouTubeにも進出している。長年抱えてきた摂食障害について発信したり、悩み相談を行ったりと、活動は幅広い。

ただこんなにたくさんの顔があるが、どれか1つに道を完全に定めたり、「私は○○です」というふうに枠にはめられることにはモヤモヤを感じてしまうというちづるさん。

やっていることのすべては発信のひとつ

この言葉が、現状しっくりくるのかもしれない。HSS型HSPの特徴としても、積極的で外交的な反面、繊細な気質を持っていることで疲労を溜め込むというものがある。

HSSの部分は満たされても、HSPの部分が満たされないから、安心できないんです

だからこそ、「そんなこともできるの!?」と思われる反面、一般的に普通とされる人がなんなくこなすちょっとした場馴れや、いつもと違う環境への適応がゆっくりであったりもする。

頭ではこうしたい、できるはず、と分かっていても心が追いつかない日もある。

「夫婦でやりたいことをやる」というスタイルを貫くには、まだまだ難しい部分も多い。外交的で好奇心旺盛。なのに繊細で敏感でもある。その両方の気質を同時に満たしてあげるには、どうすればいいのか。その答えは、まだ探している途中だ。

総合エンタメチャンネル ウォッチッチTVより《人気上昇中》

ご主人・ケンゴさんは「共感の神」!?パートナーの在り方

ちづるさんご夫婦は、「chicchiworks」として二人で色々な表現に取り組んでいるが、ご主人のケンゴさんはHSPでもHSSでもない。

僕はたぶん、ザ・普通

ケンゴさんは微笑みながらそう答えて見せた。しかし、ザ・普通だとしても、奥さんのちづるさんが持っている特殊な気質については、理解が高く、否定的に見ていない。

「ちょっと、似てる…?」

負担だと思っていません」と、ケンゴさんは言い切った。

時にとても外交的で、時にとても繊細なちづるさんのそばで、ケンゴさんはありのままを受け入れ、新しい夫婦のあり方や夫婦での働き方を模索している。

結婚しても離婚する人が後を絶たない現代で、全く違う性質の二人が互いを認め合い、ないものを持ち合わせたことを魅力として感じている。

たぶん僕は、奥さんと出会っていなかったら、こんな気質や繊細な人、生きづらさを持って生きる人の存在を知ることはなかったと思います。むしろ”普通代表”として、何も考えずに生きていたらだめだと怒られているような気もする笑」

どこに行ってもそれなりにうまくやれるケンゴさんは、まるでアニメのかわいいキャラクターを見ているように、ちづるさんを見守ってきた。二人も昔は、「夫が安定収入を確保し、家で妻が好きな事でもしながら副収入」というような形を作ろうと努力したこともある。

でも、本当にそれがすべてなのか?と考えたとき、二人は「普通にとらわれる必要はない」という結論に至った。

編集部は「こんなご夫婦がいるのだな」と感動さえ覚えた。だって、二人があまりにも自然にそこにいるから。

気性の違い、価値観の違い……これは昔も今もパートナーがうまくいかない、壁となる大きなこと。これを愛と信頼を持って受け止め合う二人は、一見、当たり前に見えて、凄いことをやってのけているのではないか。

≪HSS型HSPの悩み≫1+1で2の力になれない時がある

徐々に知名度を上げているちづるさんとケンゴさんだが、悩むこともある。

センスや能力を武器にして生きることのリスクだ。二人が地元から東京に移住してきたのは2019年の秋ごろ。周囲の人には、「(都会で成功して)なんだか遠くに行っちゃったね~」なんて言われることもあったそうだ。

でも本当は「今も現在進行形で悩んだり壁にぶつかっています」と言うちづるさん。こうした周囲のイメージとのギャップも、HSS型HSPの人を苦しめるひとつの要因になることもある。

生活と言う名の「仕事」をするのか、振り切って本当にやりたいことをやりたいままにやるのか。後者を選べば、もちろん現実的なリスクが伴う。それに加えて好きなことを仕事にすると、義務感から心が疲れることもある。

気質や個性をありのまま生かして、仕事ができる環境を作っていくこと。これこそが二人の大きな課題でもあり、夢でもあり苦悩でもある。

ちづるさんが疲れて1になれないとき、ケンゴさんは2の仕事をこなそうとするが、0.5くらいの力になったちづるさんを見ているのは、やはり心配なのだ。

普通の感覚で言えば「それでも生活のために頑張るしかない」という見方になる。でも、必ずしも二人で1+1=2の状態でいられなくても、無理なく仕事ができる空間を何よりも求めている。YouTubeなどの動画配信は、その一歩だ。

1聞けば300返ってくる発信大好きな二人。

悩みにも積極的に答えるchicchiworksのお二人

ご夫婦の表情から見ても、「いい雰囲気、醸し出してる~」というのは伝わると思う。でも、ここまでくる道のりの中では、ちづるさんがうつ病を克服した経緯や、数えきれない波を乗り越えてきている。

いかにもリア充。それは正解であって見当違いでもあるのだ。

現実は二人が本当に好きなことをして生きられるくらいの環境や収入を確保することも大変。「夫婦で一緒にやる」というスタイルの確立さえ、まだまだできないリアルがある。

それでも二人は、現在動画などを通して発信を行うことで、もっと普通を取っ払い、楽に生きられるよう、生き方やマインド、病気や障害などに対する考え方などを伝えている。ここではすべて紹介しきれないが、ぜひYouTubeのチャンネルを覗いてみて欲しい。

ちなみに筆者のおすすめ動画はこれである。

《笑いや面白さも発信している》

chicchiworksのお二人は、何か1つ質問すると、300は返ってくる人だ。単純にお喋りが好きで伝えるのが好きで……とちづるさんは言っていたが、300返せるという事は、日頃からたくさんのことを考えている証拠だ。

これからの時代のAIについてのことや社会の話、私生活の話まで、話題は尽きることがない。二人は発信することに関してはいつでも「準備万端」であると語ってくれた。それくらい、伝えたいことが山ほどあるのだろう。

HSS型HSPもそうじゃない人でも、みんな「それでいい」と言える社会を目指して

HSS型HSPは特に、経営者や成功者、アーティスト、クリエイターに多いとも言われる。そこには、かならずバランスをとるための人がそばについているものだ。

たとえば社長を常にマネージメントする秘書や右腕がいるように、センスをただひたすらに生かして走る人には、理解者や、アンバランスな部分をカバーする存在がいる。

chicchiworksの二人の場合も同じことが言えるのかもしれない。

「それだけやっていられるなら120%の力を発揮できるマルチな才能を持つ」ちづるさんに対して、ごく普通とされる感覚を持ち合わせつつも理解しているご主人のケンゴさんという構図。

どちらかが欠けると、どちらも生きないと思うんです」と言っていたちづるさんを、ふんふん、とおだやかに見つめるケンゴさんがそこにいるのだ。

二人が目指す最終目標は、マルチタレントとして活動しながら、「これが普通」「これが正しい」「こうあるべきだ」という枠を取っ払ってどんな人もありのまま生きられる社会を作ることとも言える。

いまはまだ過渡期だけれど、そんな未来がそう遠くないうちに訪れるのではないかと、筆者は期待している。

そんな二人をこれからも応援しながら、今後も取材を行っていきたい。/kandouya編集部

【chicchiworks】情報まとめ

【chicchiworksさんへお仕事依頼はこちら】→info@chicchiworks.jp

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