私はなぜ、こんなに弱いんだろう……。周りのみんなは、楽しそうに人生を謳歌しているように見えるのに、自分だけが小さなことで躓いて、弱って、いつも悩んでいる。もっと精神的に強くなりたい。明るく、前向きにハツラツとした人生を送りたいのに……。
そう思っているあなたに、Kandouyaはあえて言います。
強くならなくていいです。あなたの心が弱いのは、心が弱いからこそ大切なことがたくさんあるということに気づくためなのかもしれないから。
精神的に強くなりたい? 精神的に強いってどういうことかわかっていますか
精神的に強いとは、どういうことをさしているのでしょうか。打たれ強い? ポジティブ思考? 小さなことでクヨクヨしない?
あなたには「こうなりたい!」という具体的イメージがあるでしょうか?
他人と比較して「強くならなきゃ」と思ってない?
あなたが思う「精神的に強い」というのは、どんな状態のことを差すのでしょうか? きっと、あなたの周りにいる強いメンタルの人と自分を比較したときに「自分って弱い」と感じるのではないでしょうか。
実は、これを書いている私も「自分は精神的に弱い」と思っています。でも、周囲の人からすると「弱いようには見えない」と言われることもあります。
何をもって「強い」「弱い」というのかは、数値や評価ではっきり示せるものではありません。だからこそ、人と比較して「自分の方がダメだ」「自分は人よりも弱い」と考えてしまいがちです。
あなたが「あの人は強い」と思っている人も、自宅でひとりになったとき、どんな反省をしているかは誰にも知り得ることができないのです。
まずは、あなたが「人と比べているのか」「自分の中で勝ちたい何かがあるのか」そのどちらかなのかを考えてみましょう。
生まれつきポジティブな人とネガティブな人がいるって知っていますか?
人間には、生まれつきポジティブな人と、生まれつきネガティブな人がいます。
これは、どちらが優れていてどちらが劣っているというものではありません。
どんどん突き進んで獲物を捕獲していくタイプ、つまり「攻め」の人。危険回避のために、周囲の安全を確認しながらさまざまな危険性を想定してその都度立ち止まる「守り」のタイプの人。この2種類がいるということ。
世の中が、全て「攻め」の人だったら大変なことになります。一方、全てあなたのような「守り」の人でも世界は進歩していきません。
つまり、弱い人も強い人もすべては「役割分担」ということになります。
ネガティブ=悪いものという固定観念がありませんか?
ネガティブであること、精神的に弱いということを「悪いこと」だと思っていませんか?
ポジティブとネガティブは、光と闇に例えることができます。光と闇は、どちらかひとつでは存在することができません。
光しかない世界は、真っ白で何も見えません。眩しすぎて目を開けることもできないでしょう。
闇だけの世界では、真っ暗で何も認知することができません。
でも、闇が深ければ深いほど、小さな光でもすぐに気づくことができ、その光の明るさを強く感じることができます。
ただ、光に光を重ねてもその光の価値を感じることはできない……
つまり、闇や暗さは「光をより強く感じることができる」というよい環境なのです。
ポジティブはよくて、ネガティブはダメという考えは単純すぎます。ネガティブな心があってこそ、ポジティブな感情に「生きている実感」を強く感じることができる。だから、ネガティブは決して悪いものではありません。
ただ、弱いだけ、変化しないままでは生きていけないので、強くなるために何か行動をする必要はあります。
でも、あなたはこのようにして強くなる方法を模索しています。改善しようと努力することを今、ちゃんと行動にしているわけで、その時点であなたのやるべきことはちゃんとクリアしています。
あなたが精神的に弱い理由をわかっていますか?
あなたはなぜ、精神的に弱いと感じているのでしょうか? どんな点を「ダメだ」と思っているのでしょうか。
その「弱さ」や「ダメな部分」をもっとクローズアップしてみてください。
というのも、弱さやダメさには必ず理由があるからです。そしてその理由は、あなた自身が考えて作っていいのです。
心の中で「私はあの出来事がきっかけで、弱くなったのだ」と結論付ける必要があります。それは「自分はダメな人間ではない」ということを信じるための根拠になるからです。
とにかく強くなろう、強くなろうとしても、心が「自分は強い」と信じていない限り、それは実現しません。
それなら、自分の弱さに自分なりの理由を作って「私は生まれながらの弱虫ではない」と信じる根拠を示していけばいいのです。
精神的に強くなりたい! そう思ったときにやってみるべきこととは?
精神的に強くなりたいなら、このステップを意識して日々の思考を変えていきましょう。
自分がなぜ弱いのかを知ること
自分がなぜ弱いのか、その原因をまずは明確にしていきましょう。
ものごとはどんなことも、原因と結果の法則に則ることや、分析による改善が必要です。
これは、何も科学やビジネス学などだけにいえることではなく、人間の心理にも同じことが当てはめられると考えています。
もしかしたら、あなたは生まれつき危険回避の傾向が強い、繊細で敏感な性格なのかもしれません。
もしくは、育った環境や学校生活、友人関係などの中で弱くなってしまう原因があったのかもしれません。つまり、トラウマがあるということです。この場合、心当たりがある人も多いのでは。
この原因と結果を自分の中ではっきりさせることで、きっとあなたの心は今よりも強く前進していくはずです。
今すぐ変わろうとしないこと
精神的に弱い性格は「もって生まれた気質×環境要因」の2つの要素から成り立っています。
遺伝子レベルのものと、育てられた環境やこれまでの経験によって培われたものでできている……つまり、とても根深いものだということになります。
そんな、強い根の張った性格は、ちょっとやそっとのことですぐに変えられるものではない、ということをまず知っておきましょう。
年齢を重ね、人生経験を積むことで少しずつ考え方が変わることもあります。そして「もっと~になるべき」と自分を追い込むのをやめてみるのも一つの方法でしょう。
ただ、強くなれ!強くなれ!と尻を叩くだけで強くなることは絶対にありません。
むしろ「強くなくたっていい」「弱いままでも生きられる方法を模索する」という方向にシフトチェンジしていくことの方が、案外大切だったりもします。
今すぐに強くなろう、変わろうとしても、人間はそう簡単にガラっと性格を変えることはできないと認めることも大切です。
ポジティブが全てでは、絶対にない
ポジティブなことは素晴らしい、ポジティブであることが真の幸せ……もしそんな風に思っているのであれば、それは間違いだと考えます。
ネガティブな考えや精神的な弱さをもつあなたが、少しでも考えをポジティブに変換できたとき、きっとものすごく感動し、今までの人生や経験に「感謝」できます。
私でもこんなに強くなれる!こんな風にして生きていいんだ!そんな風に思うこともできます。この時の感動は、ものすごく強いエネルギーを生むものです。
生まれたときからずっとポジティブな人は、この素晴らしい感動を味わうことができません。
ポジティブであることが全てではありません。優劣の問題ではないし、自分の特徴であり強みだと自覚していきましょう。
精神的に強い自分って、本当にあなたらしい?
精神的に強い自分……あなたは、理想の姿になったとき「自分らしい」と納得することができるでしょうか。
少し卑屈な自分、ひねくれた自分、なかなか自信をもてない自分、人と比べて「あの人は素晴らしいなぁ」と常に他者を尊敬する自分……そんな、弱さも含めて「あなたらしい」姿なのではないでしょうか。
強くなりたいのは、素晴らしい向上心です。でも、弱い自分だからこそ人の痛みがわかったり、ネガティブな状況でポジティブなものを見つけ出す才能に長けていたりするのです。
強い・弱いという視点ではなく「自分らしい生き方」「自分らしい考え方」という芯をもつことも必要ではないでしょうか。
精神的に強いのが「正しい」わけじゃない!世の中に正しいことなんてひとつもない
えらそうなことをたくさん書きましたが、私も精神的に弱い人間です。人の目を気にしたり、すぐに自信をなくしたり、自分を好きになれなかったり、注目されると怖くなったり……とても不器用な人間です。
でも、不器用な人は人にやさしくしたり、相手の目線に立って物事を考えることができたりと、その弱さを活かして誰かに必要とされることだってあるのではないでしょうか。
精神的に強いことが、正しいわけでもありません。弱い人が間違っているなんてこともありません。
世の中の人間はすべて「役者」です。物語にはどれも必要な配役。最強の役がいて、その取り巻きがいて、そして弱者がいる。どれも「必要な存在」です。
強くなりたいと思う向上心を大切にしながら、今のそのままのあなた自身を受け入れる考え方があっても、いいのではないでしょうか。/Kandouya編集部