
息を止める癖、あなたには思い当たる節がありますか?
呼吸は、ストレスと自律神経の深い関係があり、適切なメンタル面の安定に欠かせません。でも、無意識のうちに息を止めてしまう癖があるという人が一定数います。
あくまでも病気ではなく「癖」ではありますが、息を止める癖がある場合常に呼吸が浅く、息苦しさや疲れやすさを感じることもあります。
筆者も息を止める癖がありますが、呼吸を少し意識すると驚くほど体に息が入り、出ていくこの動きがはっきりとわかり「あぁ、もっとちゃんと息をしなければ……!」と気付かされます。
この記事では、心や脳、そして呼吸の深い関係について書いています。
息を止める癖はどうして起こるの?

人は無意識に息を止める瞬間があります。たとえば、徒競走のスタートの「ヨーイ、ドン!」のときや、緊急連絡のメールを開く瞬間、見てはいけないものを見たとき……
日常の中で、緊張感をもつ瞬間に息を止めてしまうことがあるんです。
集中したいとき、ひとつのことに全神経を注いでいるとき、びっくりしたときなどに、神経が高ぶって呼吸を無意識に止めてしまうんですね。
緊張感が高まっている状態でも、平然と深呼吸をしているのはむしろちょっと不自然ですよね。
一時的に息を止めてしまうのは特別異常なことではありません。しかし癖になってしまうと、常に呼吸が浅い状態になりやすく、体調やメンタルに悪影響を及ぼすこともあるので注意したいところです。
息が苦しい、呼吸が浅い…息を止める癖がある人の傾向とは?

息を止めてしまう人は、日常生活の中で呼吸が浅く、息苦しさを感じたりストレスを感じたりすることも多いのでは。私自身、息を止める癖があるのですが、息と心の安定は深い関係があると自覚しています。
緊張しやすい
息を止めてしまう癖は、緊張しやすい性格からきているように感じます。私の場合、家族が家に帰ってきたときや、真剣になっているとき、集中しているときなどは、気がつくと息を止めています。
もともとびっくりしやすい性格で、人の気配や足音にも敏感です。緊張状態が続くと、自律神経の「交感神経」が優位になるため、呼吸は早く浅くなります。息を止めるのが癖になると、止めているとき以外も呼吸の浅さや速さが慢性的に続いていることも少なくないと感じます。
息を吐くのが苦手
息を止めてしまう癖を意識して過ごしてみると、いかに自分が息を吐けていないか、ということに気づきます。息を吸うばかりで、吐くことがとても苦手なのです。
たとえば、緊張しながら話すとき、嫌な感情やできごとについて話すときにも息を止めています。息苦しさを感じて初めて「あ、息を吐かなくちゃ」と気付く感じです。過呼吸症候群になっていた時期もあって、吸う息の量よりも吐く息の方が圧倒的に少なくなってしまうのを感じます。
また、息を吐くとリラックスするのは、喫煙にも通じますね。喫煙は息を吐く(煙を出す)ときに、リラックスする感覚をえます。ストレスが溜まるとタバコが吸いたくなるのは、もちろんニコチンへの依存などの影響もありますが、それだけでなく「息を吐くこと」が足りていないため、余計に喫煙でのリラックスを感じてしまうというのも理由かもしれませんね。
ため息が多い
私は、ため息が多いです。ため息と言っても「は~ぁ……」という感情を呼吸で表すというような感じではなくて、「ぶーーー!」と威勢のいいため息です。
深呼吸の、もっと強いイメージのため息を、気づくと吐き出しているんですね。これはおそらく、ため息ではなく意識的に呼吸をコントロールして体調を維持しているのだと思いますが、ときどき「ため息つかないほうがいいよ」なんて言われてしまうこともあるし、自分でも「私ため息つく頻度多い……」と心がちくっとすることもあるんです。
息を止めてしまう癖は、意識すれば改善します

息を止めてしまう癖は、意識的にコントロールしていけば改善します。ストレスや体調と関係の深い自律神経は、本来自分の意思でコントロールすることのできないものです。ただ、自律神経に大きく関わるのが「呼吸」なのです。
この呼吸を意識的に深くしたり、息を止めているのに気づいて対処するようにしていくことで、心も体もこれまでよりリラックスしやすい状態になっていくと考えられます。
常に呼吸を意識する
まずは呼吸に注目して、息の深さや速さに意識を向けてみることからはじめます。
息を止める癖も、呼吸の浅さも、すべてが無意識です。しかし、呼吸の状態は自分の注意を向ければ自覚できます。息を止めてしまう瞬間も、注意して感じとることができれば、そのパターンや傾向が見えてくるので、自分のメンタル状態もわかってしまうというわけです。
たとえば先で挙げた私の場合でいうと「集中しているとき」「びっくりしたとき」「話している時」などですね。
自分の神経が高ぶってしまう、つまり緊張しやすい状況とはどんなときなのか?ということが、呼吸の状態からも見て取れるようになります。
寝る前の深呼吸
寝る前に深呼吸をしてから寝るのは、いちばん簡単な自律神経のケア方法です。
寝るときは、副交感神経が優位になっていないと、眠りが浅く、翌日もスッキリしないというのはあなたも知っているでしょう。寝る前の習慣として、腹式呼吸の深呼吸を習慣にするのはそれほど難しいことではありませんので、やってみてくださいね。
吸うよりも吐くことに注力する
息を止める癖や、呼吸の浅さが気になる人は吐くことに注力するとよいです。
私の場合も、圧倒的に吐く息の量が少ないと感じます。だから無意識に、勢いのあるため息をついたりして、コントロールしているのですが、もっと意識的に息を吐くように心がけていくことも大切ですね。
深呼吸をするときも、まず最初に吸うのではなく、最初に息を吐ききることをやるだけで、身体のリラックス感が違うと感じています。
瞑想やヨガも効果的
瞑想やヨガが流行していますが、その人気の理由は「呼吸」にあると感じます。
呼吸って、エネルギーの循環なんですよね。セラピーや催眠療法などでも、呼吸がポイントになります。息を吸うときは、美しくてポジティブなエネルギーを吸う、吐くときは汚いものや悪いエネルギーを吐くといったイメージをすると、本当に心理的にスッキリする感覚があるのも事実。
呼吸は単なる生命維持の作業なのではなく、エネルギー循環機能として体の中に新しいものを取り入れ、悪いものや不要なものを吐き出すために行っていると考えるのも、理に適った考えだと感じます。
息を止める癖は「頑張りすぎ」のサインかも

息を止める癖は、緊張や疲労のサインだと考えてもよいと感じます。溜め込むことや、神経を張り詰めることが癖になってしまうというのは、ストレスを感じやすくて当然なんですね。
まず自分の体の癖やパターンを知ること。そして、吐く息に注力して体の中の悪いエネルギーを排出する意識をもっとしっかりもつことが大事だといえます。
呼吸・体・脳・心・エネルギーの関係をよく知ると非常におもしろいので、ぜひ自分の「呼吸」を観察してみましょう。/Kandouya編集部
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