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【自分の問題】自他の境界線を引く方法とは?【相手の問題】

人間関係や恋愛、子育てなど、あらゆる人との関係の中でとても大事なのが「自他の境界」を引くことです。自分の問題と、相手の問題を分けて考えることができないと、人との関係が悪くなったりいつもつらい状況に立たされてしまったりします。

感情や考え方、価値観などさまざまなものを「自分と相手が同じでないといけない(同一化)」ように感じてしまったり、相手を動かそうと必死になってしまうことで関係が悪くなったりすることも……。

ここでは心の境界線を引く方法についてお話していきます。自他境界って何? と思った方は、こちらの記事をまずは読んでみてくださいね。

自他の境界線を意識する方法とは?

人との関係が上手くいかないときは、自分と他人の境界線がしっかり引かれているかを意識してみると、新しい発見をすることができます。どのようにして、自他の境界を意識すればいいか考えてみましょう。

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自分の問題・他人の問題を分ける

Photo by Daiga Ellaby on Unsplash

親しい相手との関係で悩むとき、その悩みは「自分の問題」か「相手の問題」かをわけて考えてみるクセをつけるのが大事です。

筆者はよく子どもが泣いたり怒ったりすると「自分が何とかしなければ」と思ったり「自分の接し方が悪かった」と思ってしまうクセがあるんですね。だから自分が躍起になって「泣き止ませよう」「私が何とかして鎮めよう」としてしまうのですが、これがまったくうまくいきません。(この例は自我のある年齢の子どもで、赤ちゃんは別です)

親なんだから当然じゃない?と思う人も、いるかもしれないですね。

でも、子どもはひとりの人間なので、イライラしたり悲しかったりすることで感情を出しているだけなんです。しかし私は「私が何とかして、子どもを変えよう」と思ってしまうんです。すると、ああだこうだと口数が増えたり「私ばっかり子どものために頑張っていてつらい」というような気持になってくるんです。ここで、衝突が起こります。

これは、相手が誰でも同じなんです。

たとえば、恋人や夫婦でも相手の機嫌が悪かったり、相手が問題に直面したときに「自分が相手のために何かしなくては」と躍起になってしまうことが、境界の曖昧な人にはよく起こります。

そこで、一生懸命「こうしたら?」「〇〇だからダメなんじゃない!?」と口や手を出して相手や、相手の現状を変えようとするんです。もしくは、自分が相手の面倒を見ようとしたり、お金や物を与えたりといった方法で責任を背負おうとしてしまうこともあります。

自分では「優しさ」や「責任感」のような愛情を与えているつもりですが、根底には「自分が頑張れば、相手の心や状況を変えることができる」と思っているわけです

泣いているのも怒っているのも、困っているのも、全部相手の問題です。

一緒にいるともちろん心配になったり、同じ気持ちになったりすることもありますが「自分が相手を変えよう」と思ったり「自分が何とかすべき」と思ってしまうのは、自分の問題と相手の問題を混同している状態。ここをしっかり分けるように、常に意識するといいですね。

情報を遮断し、ひとりの空間を大事にする

自他境界の薄い人は、どうしても人の感情や事情に引っ張られやすいところがあります。人に気を遣いすぎて疲れてしまう人は、定期的にひとりきりになって、人から受けるエネルギーや情報を遮断するといいです

相手と一緒にいると、どうしても自分の軸がわからなくなります。それは悪いことなのではなく、それが配慮や気遣いとして相手に喜ばれているのも事実でしょう。だから、人と関わるのをやめるのではなく、人と関わったのと同じ分だけひとりの時間をもつことが必要なのです。

誰の気持ちにも引っ張られない時間。自分というものを、再確認する時間をもつとよいです。すると、さっきまで悩んでいた問題が「あ、あれは私の問題ではない。相手の問題だったな」と気付くこともあります。必ず、一度ひとりになって考える時間をもつように意識してみてください。

自己肯定感を上げる

自他の境界が曖昧な人は、自己肯定感が低い傾向にあるとおもっていいかもしれません。

  • 他人を気にしない
  • 自分が自分であればいい
  • 自分は大丈夫だ
  • 自分を愛する

自己肯定感は、自分の価値に条件をつけません。たとえば「相手の役に立っていない自分はダメ」とか「何もできない自分が不甲斐ない」なんていう感覚は、そのままの自分に価値がないと思っている状況です。

人の問題を自分の問題として背負い込んだり、人に手や口を出しすぎてしまうのは「私には、この人を動かすことができるという価値がある」みたいな感じで錯覚を起こしている状態です。

本来なら相手の話を「そうなんだ」と聞き「何かできることがあれば言ってね」と一言かければOKなんです。でも「何かの役に立っていないと、ここにいてはいけない」という無意識の焦りから行動してしまうのですね。

正しい自己肯定感を養っていくことで、自然と自他の境界線を引きやすくなっていくでしょう。

ストレスがかかると自他の境界線が薄くなる

ストレスレベルが上がると、自他の境界線が薄くなります。普段は割と冷静に対処できる人も、ストレスが溜まったり、体調が悪くなったりすることで、自他の境界が曖昧になり、人との衝突を起こしやすくなることもあるのです

ストレスが溜まっていると自覚したら、ひとりになって休養することがいちばんなんですね。でも、なかなか仕事を休めない、育児は年中無休、ストレスが溜まっていても相手の誘いを断れない……というように、いろいろな理由で人との接触は断ち切りにくいです。

自他境界が曖昧になっている状態で人と接することで、ケンカや衝突が生じ、さらに落ち込んでしまう……というループが起こりやすいということを知っておきましょう。

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敏感気質は自他の境界線が元々薄い

人の気持ちに敏感な人は、自他の境界線が曖昧になりやすいです。

HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)やエンパスという概念があるように、人の気持ちに共感しすぎたり、人の感情がそっくりそのまま自分の中で再現されたりするような人もいます。

この場合、無意識のうちに「自分は相手と同じ状況に立たされている」ように感じ、悩んだり、頑張りすぎたりしてしまうこともあります

しかし元々もっている気質が敏感であったとしても、心に境界線があること、またその線引きが曖昧になることで問題が生じるということがわかっているだけでも、今後の生き方には役立つと思います。

自他の境界線と「関わる」「操作する」を分ける考え方

「境界線」とっても、日常的にそれを考えながら人と接するのは難しいものがあります。相談を受けることもあるし、親しい人が困っていたら力になりたいと思って当然ですよね。

そこで、人と接する中では「関わる」ことと「操作する」ことを分けて考えるといいです。

関わることとは?

相手に関わることはとても大事です。信頼を築く上でも正しい関わり方を考えてみましょう。

  • 話を聞く
  • 共感する
  • 手助けをする
  • 提案する

誰しもいろいろな方法で、相手に関わっていると思います。関わることで、一時的に相手がちょっと安心したり、冷静になれたりするよう「気づかせてあげる」という感覚です。

操作することとは?

操作するというのは、自分が相手の心を変えようとしたり、相手の状況をどうにかしょうと動いて、選択を奪う状態だと考えています。

  • 相手を批判する
  • 感情的になる
  • 自分の言動で相手を動かそうとする
  • 自分に余裕がないのに物やお金を与える

相手が、何を選択するかどうかは、待つしかありません。ここで「自分がなんとかしなきゃ」と焦ってしまうと、上記のような行動に出てしまうんですね。自分が焦ってしまうので、相手を操作して早く安心したい……というような気持ちです。

自分のことは、自分で決める。こんな当たり前のことですが、意外とできていなかったり無意識に操作しようとしていたり、人の心はとても複雑。こんな考え方があると、知っておくだけもきっと変化があると思っています。

自他の境界線を深く知ると生きるのがとても楽になる

自他の境界線は、理解するまでに時間がかかることも多いです。筆者自身も、まだまだ完全に理解できていないなと思うことがあります。

しかし、人の心は目に見えませんし、変化も数値化したり視覚化できませんから、完全なる理解なんてものもないと思います。ただ、知っておくだけで、お互いにつらい思いをするリスクが減ったり、対処法が増えたりすると感じています。

人間のおもしろさや、奥深さも見えてくるので、そこを人生の教材にしていくのはとてもいいことではありませんか。/Kandouya編集部

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