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夜が好きな理由は、今なお続く反抗期

夜10時くらいを過ぎてくると、だんだん心が燃えてくる。

ワクワクと言えばいいのだろうか。それとも、ざわざわと言えばいいのだろうか。とにかく「きたぞ」と言わんばかりの心の盛り上がりがある。

私はもうずっとずっと前から、夜が大好きだ。誰もが寝静まった後の静けさと、少し後ろめたいことをしているような感覚。

夜が好きな理由は何だろうか

自分はなんで夜が好きなんだろうと考えてみると、理由はいくらでも思いつく。静かだとか、子どもたちが寝て静かだとか、自由時間だからとか。

でも、根本は「反抗的な気持ち」が、心のどこかにあるからなんじゃないかなって、個人的に思っている。

たとえば私は、家族が全員寝静まったあとに、隠しておいたお酒とお菓子を開けてひとりでこっそり晩酌するのが好きなんだ。「私は飲んで好きにいるから、寝てて」というんじゃなくて、あたかも一緒に寝るかのように振舞いつつ、家族の消灯を見届けて自分だけ抜け駆けするのだ。

そういう「盗んだバイクで走り出す」みたいな感覚が私はけっこう好きなんだと思う。私は私、家族は家族として生活すればいいのだろうけど、私はやっぱり何年たってもこういうコソコソとした人間だ。

反抗期なんていうものはなかったけど、一般的に私と同年代の30代は「反抗期があるのが正常」などともいわれる。

結局、今もずっと反抗期なのかもしれないな、なんて思う。とびぬけて悪いことなんてできないし、誰かと連れ立って夜遊びするなんてことはやろうとも思わなかったし、できなかった。

でも、世の中には大暴れの反抗期を経験しなかった人も多い。少しばかり後ろめたいことをやってみたり、自分の中のルールを破ってみたり、人がやってないことをやろうとしたりすることで、ちょっとだけ自分を解放しようとしている人はたくさんいると思うんだ。

世の中の大半の人が眠って明日に備える時間に、自分は好き放題やっている。誰にも邪魔されることなく、自分の世界に入り込む。そういうことが許されるという甘さが、夜にはあるのかもしれないなぁ、なんて思う。

夜は、頑張らなくていい

夜は甘えも、惰性も、怠慢も、恥も、闇もすべて許してくれる。

昼間は、起きるところから頑張りとがまんの連続だ。眠いけど頑張って起きる。ゆっくり好きな朝ご飯を食べたいけど、適当なものを口に入れて家を出る。満員電車にウンザリしてもがまんする。怒られてもがまんする。頑張って話す、頑張って笑顔を作る。昼間はずっと、頑張りの連続なんだ。それを、私たちは毎日毎日こなしている。

事情があって働けない人、学校に行けない人だって同じだ。明るいうちは、社会が動いている。みんな頑張っている。その時間に自分は何も生み出せない、何もできないという目に見えない苦しみがある。今この時間は、一般的にどんな時間だろうかと考えるたびに、自分の価値がすり減っていくようにも感じる。

でも、夜はみんなが休んでいい時間であり、何もかものネガティブが許されるのだ。その日あったことを悔やんで泣いてもいいし、落ち込んで闇の深い発言をしても許される感じがする。今の時代、衝動買いだってしてしまえる。夜だから、夜のテンションだから、夜ってそうなるよねって。なんでも許してくれる無条件の受け入れ態勢があるんだと、私は思っている。

夜が明けると、がっかりした

今でこそ、夜通し好きなことをするなんてことはなくなった。でも、昔は夜通し趣味に没頭したり、夜通し誰かと会話を楽しんだりした。私と同じように、永遠の反抗期な人や、日中の苦労を癒すために夜に浸る人はとても多かった。そんな人たちと、ネットで繋がっていた。

でも、そんな懐の深い夜はあっという間に明けてしまう。窓の外が知らぬ間に明るくなっていく。ふと気づいたときにはもう、はっきりと太陽が出ていることもあって、その瞬間はとてもがっかりした。

夜が終わったことに気づきもしないで、朝を迎えてしまうこと。夜が、あいさつもなしに帰ってしまったみたいな感じ。それが嫌で、わざわざその時間だけは手を止めて、夜明けを見届けることもあった。

なんだかクサすぎる表現かもしれないけど、本当にそうだったんだ。

時代や状況は変わっても、夜の温かさはかわらない

夜が好きなのは今でもかわらない。今とても幸せに暮らしているけど、夜は昔も今もかわらない態度で受け入れてくれる。

そのままでいい。何もしなくても、何をしてもいい。そして、そういう場所を求めている仲間にも、たくさん出会える時間。時代や状況がかわっても、夜の温かさもそこに集う人たちの心もかわらないような気がする。

夜は誰もが、本当の姿を見せているんじゃないかな。みんな、誰にも言わないだけで。/夏野 新

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