
悩みを口に出すのは、悪いことなのでしょうか?
「思ったことをすぐ口に出すのはよくない」
「悩みや愚痴ばかり口に出すと人から嫌がられる」
こんなこともよく耳にしますよね。
確かに、時と場合によっては悩みや愚痴をそのまま口に出すことでよくない結果がもたらされてしまうこともあります。ただ、その反面で悩みを口に出したほうがいいという場合もあるので、この見極めと方法の選定をしっかりと確認しておきましょう!
悩みを口に出す必要がある人とは?

悩みを口に出す必要がある人とは、どんな人でしょうか。もしくは、悩みを口に出すべき状況とはどんなときなのでしょうか。溜め込みやすい人や、人の目を気にして思ったままの言動ができない人は、特に当てはまるかもしれません。
1.がまんすることがいいことだと思い込んでいる
悩みを口に出すことが苦手な人や、がまんしてしっかり見せることがいいことだと思っている人は、思ったことや悩んでいることを口に出す必要があります。
「これくらいがまんできる方がえらい」「小さなことをつらいと思わないのがいい人間」という考え方をしてしまう人は多いです。がまんができているうちは「自分は強い」と思い込んでしまうため、がまんしている状態に快感すら覚えることも。
しかし実際にはそのうちにがまんが祟って心がポキっと折れたり、とんでもなく落ち込んだりして爆発してしまいます。
2.何が不安なのかわからなくなっている
人は悩んでいるときに「何が不安なのか」がわかっていないことも多いです。
先に述べたように「がまんすることがいいこと」と思っていたり「いつもいい人でいたい」と思いすぎていると、自分の感情や思っていることを無視し続けてしまうので、結果的に自分が何に悩んでいるのかもわからないといった状況に陥りやすいです。
悩みの根源をひとつづつ掘り起こして、絡まっている糸を解いていく作業をするためにも、悩みを口に出すということが必要になります。
3.落ち込み過ぎて八方ふさがりになっている
落ち込み度がひどいと、八方ふさがりになってしまいます。誰にも会いたくないと感じたり、誰とも話したくない……と、どんどん内にこもっていきます。内にこもっていても、頭の中は同じ思考が繰り返されるばかりなので何も改善しません。
確かに、悩んでいるときはしっかりと自分の感情に浸って、落ち込むという時間をもつことも大事です。しかし、だからといってずっと落ち込んでいるワケにはいかないし、それではじぶんもつらいばかり。悩みを口に出して、誰かの意見を求めたり、自分の思ったことを整理したり、新しい発見を得る必要があります。
4.人のことを考え過ぎる人
自分より人のことを考え過ぎてしまったり、人からどう思われるかを気にしたりしてしまうと、余計に悩みを口に出せなくなっていきます。
「そんなことで悩んでいるの?」「今忙しいのに……」「ネガティブな話なんて聞きたくない」などと思われることが怖いと感じるかもしれません。すると、どうしても思ったことをそのまま口に出すのが難しくなりますよね。
人のことを考え過ぎて内に秘めるのはとても危険です。人にも、自分にも配慮するためには「正しい順番で、正しい方法」で、悩みを人に話して解決していくことが大切です。
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悩みや思ったことをそのまま口に出すことの効果とは?

ここで、悩みや思ったことをそのまま口に出すことでどんな効果が得られるかをみてみましょう。ただ単に自分がスッキリするというだけでなく、人の内面を成長させるために大事な要素があるのです。
エネルギーの循環効果
ネガティブな感情やぐるぐるとループする悪い考えは、マイナスのエネルギーです。
マイナスのエネルギーは、吐き出さないと身体の中に停滞してしまいます。たとえば、悩みを口に出すことをしないまま、自己啓発本やネットの記事などのポジティブな考え方や言葉を取り入れても、浸透していきません。
それは、あなたの心の中がマイナスのエネルギーでいっぱいで、新しいものを取り入れる容量がないためです。まずは、自分の中にあるマイナスのエネルギーを吐き出して、心や体の中に停滞している悪いものを出すという作業が先にすることが大事です。
自尊心の回復効果
思ったことや悩みを誰かに見せないまま、心の中に秘めている状態では、その事実は「なかったこと」と同じになります。自分が考えていること、感じたことがなかったことになる……というのは、自分そのものを否定することにもなってしまいます。
自分の感じたことを口にしない(なかったことと同じ)
↓
自分の考えに価値はない
↓
自分は無価値である
このような縮図になってしまうことがあるので注意が必要です。自分思ったことをそのまま口に出すと「自分の考えがここにある」「自分がここにいる」という実感を得る効果もあるため、自尊心を回復させることにもつながります。
悩みを口に出すときに気をつけたい注意点

悩みを口に出すのは時に大切なことではありますが、口に出すときに注意したいこともあるのでしっかりと振り返っておきましょう。
1.悩みと愚痴の区別をつけること
口に出すまえに、悩みと愚痴の区別をしっかりつけておくことも大事です。
2.厳しい意見が返ってくる前提でいること
悩みを口にするということは、それを聞く相手がいるということになります。ときには厳しい意見を言われることもあるし、耳が痛いような指摘を受けるかもしれません。悩みを口に出すときは、そんな手厳しい意見をも自分の糧にするつもりで聞くことが大事でしょう。
ただ、厳しい意見が返ってくることをおそれて、悩みを口にできない場合も多いですよね。自分の考えや悩みに意見されたときは悲しく感じるかもしれませんが、そのあとで必ず解決のヒントにつながります。相手と自分、どちらが正解・不正解なのかを考えるのではなく、すべてが一つの判断材料であることを最初にわかっておくとよいのではないでしょうか。
3.相談する相手を選ぶこと
相談する相手は選ばなければなりません。ときどき「悩みがあるときだけ連絡する人」を無意識に決めてしまっていたり、忙しくて余裕のない人に長々と相談してしまったりすることで、適切な解決に至らないことも少なくなりません。
また、人によっては真剣に聞いてくれない人もいるし、最後まで話を聞かずに主観をはさんでしまう人もいます。そんな「話したけど、理解されない」という経験をすると、今後も悩みを口に出すのがつらくなります。
相談する相手がいないときは、専門のカウンセリングサービスを利用するのがおすすめです。
カウンセリングの敷居は高いと思われがちですが、最近では気軽に相談できるサービスや形態が増えています。カウンセラーは、人の悩みを聞くプロです。聞くだけではなく、相手がどんな不安をもっているか、どんな風に変化したいかということを読み取るための勉強をしているので、一般の人に相談するよりも早く悩みの解消につながる可能性もあります。
悩みを口に出すのは大切です!適切な順番と方法で、悩みを克服しよう

悩みを口に出すことでどんな効果が得られるか、また悩みを相談するときはどんなことに注意しておくとよいかを再確認するのはとっても大切です。カウンセリングサービスや電話相談なども上手く活用して、心のコントロールを上手にできるよう向上していきましょうね。/Kandouya編集部
https://kandouya.net/mentalhealth/5704/
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