
自分の暗い性格を直したい。性格が暗いと、誰からも愛されない。
そんな風に感じて、自分を頑張って変えようとしてはいませんか。もしくは、人前では明るいキャラクターとして振舞っていて、自宅に帰ると疲れて泥のように眠ったり、反動で落ち込んだりしていませんか。
世の中は「暗いより、明るい方が優れている」という風に、勘違いされていることがあります。暗い人には価値がなく、明るくてハッピーなオーラを振りまく人の方が素敵だと、思い込んでいる人も多いです。
暗い自分の性格を、変えなければ・直さなければ……と思っているあなたに、メッセージを送りたいと思います。
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暗い性格は本当に「治すもの」ですか?

筆者自身、ずっと自分のテンションの低さや、不安を感じやすく考え過ぎる性格に悩んでいました。
私としては、いろいろ精一杯頑張って生きているつもりなのですが、周囲からは「元気がない」「声が小さい」「表情が暗い」「人を見下している」「怖い」「近寄りがたい」など散々な言われようでした。
まず、そもそも外見の雰囲気が「陰」ということなんですね。そしてもちろん、内面もそれに伴って陰キャラです。
- 考え過ぎる
- 自分を責めやすい
- 不安を感じやすい
- すぐにびっくりする
- 警戒心が強い
- 大勢の集団に馴染めない
性格も一般的な、根暗です。どこからどう見ても、陰キャです。おまけに中学のときに不登校になって以来、普通の学校には一度も通っていません。通信制高校に通い、必要最低限の社会生活しか送っていません。我ながら、完璧な陰キャです。
生まれつきネガティブな人と、生まれつきポジティブな人
人間は、生まれつきネガティブ思考の人とポジティブ思考の人がいます。
「根暗」という言葉は、もともとの根っこがネガティブという意味。つまり、生まれつきネガティブ思考の人のことを指すと考えています。
どうして生まれつきネガティブ思考なのを、強制的にポジティブにしたり、明るく振舞うように頑張らなければいけないのでしょう? その考え方が正しいとなれば「こうあるべき」という理想像からはみ出してしまう人はみんな、強制が必要ということになります。それは、とっても不自然なことではありませんか。
生きづらいのは「性格が暗いから」ではないかも?
私は、ずっと「自分は性格が暗いから、生きるのがつらいんだ」と思っていました。たとえば、小さなころから「もっとハキハキしゃべれ」と言われたり表情が暗いと指摘されて、怒られることが多かったです。いじめられたときも「表情がなくて人をバカにしているように見えるから、いじめられる方にも原因がある」と言われ、先生からも親からも味方になってもらえないとか。
でも、この私が感じている生きづらさの理由って「性格」じゃないなって思ったのです。
「そういうくらいあなたではダメです」と言われ続けてきたこと、そして自分自身でも「こういう性格の自分はダメ」と思い込むようになったことが一番の生きづらい理由だったのではないかなと思うんです。
ああ、自分はこのままではダメなんだと気づいて、自分を少し変えてみたり、違うキャラを演じてみたりする。その中で「あぁ、こうやって振舞うと人は自分を受け入れてくれる」と気づいて自然に身につけられることもあります。でも、逆に「どう頑張ってもうまくできない」「こういう自分になるのは苦しい」と感じたりすることもある。
「できること」と「できないこと」
この2つを使い分けして、ちょうどよくバランスをとる。少しずつ、自分のやり方を見つけていくのがいちばんです。だから「この性格を変えよう」とか「性格が暗い自分はダメな人間」と思って自分を全否定しても、何も解決しなかったりするんですよね。そんなことに気づくのに、私はだいぶ長い時間をかけてしまいました。
暗い性格でも、楽しく幸せに生きるには?

暗い性格、ネガティブな思考の人。実は、こういう人は明治時代から昭和初期にかけては、世間から「カッコいい」という評価を得ていたんですね。時代背景や社会情勢も関係ありますが、根暗な人やネガティブに陥りやすい人が不幸になるという方程式なんてありません。
自分が「心地よい」と感じることさえできれば、世界はなんだってありなのです。
「自分ってどんな人間だろう?」と模索する
まず、自分は暗い性格であるということを自覚して、そこに誇りをもってください。明治時代だったら「謎めいていてカッコいい独特な雰囲気を放つ人」として、評価されるんですから。
そして「自分は、どうありたいのか?」をゆっくりでいいので模索していきましょう。人が「もっと明るく行こうよ」と言うから「世間的にネガティブな思考はよくないといわれているから」という理由は、一切なし。
自分は、自分がどう振舞い、どう発言し、どんな行動をとりたいのかを考えましょう。すると「自分は暗い性格って思っていたけど、実は明るい部分もあるんだな」なんてことが見えてくることもあります。そして「自分でも笑えるくらい暗いけど、そこが自分っぽくもあって嫌いじゃないな」なんて思うところだってあるはずなんです。
それを、自分自身が「OK」としない限りおそらく一生つらいまま。どんな自分で生きたいか、暗いとか、明るいとか、優劣ではなくて「自分っぽいな」と思うところにフォーカスして、そこを大事に大事に扱ってあげて欲しいです。
ネガティブ思考を否定する人からは逃げよう
「なんでそんなに不安なの?」「そんなこと気にしてるの?」「なんか暗いね……」「そういう考え方だからうまくいかないんでしょ」
根が明るい人や、生まれつきポジティブ思考な人とは、ときどき相性が合わないこともあります。SNSなんかを見ていても「ネガティブな人の気持ちが理解できない」「不安なことばかり考えている人とは付き合えない」と、公言する人もかなり多いですよね。
こういう意見を目にすると、ネガティブ民は「あぁ、そうだよな……自分ってダメだよな(自責)」になってしまうことも多いですよね。でも、気にしなくていいんです。ミュートしときましょ。元々もっている素質が違うのだから、理解できなくて当然ですよね。そういう「理解できない」の中で生きてきたので、私たちは苦しくなった部分もあると思うので、そういう意見からはすぐに逃げてくださいね。
愚痴や不満、悪口と「ネガティブ」の違い
「ネガティブな人と一緒にいると、こっちまでネガティブになるから無理」という意見を見聞きすることって、多いですよね。確かに愚痴や不満、人の悪口というのはあまりよくないエネルギーなので、いつもいつもそんな話ばかりしている人とは、付き合いたくありません。
愚痴や不平不満の多い人と、ネガティブや根暗は違うんです。
私がこの場で言うネガティブや根暗というのは、基本的に「自責」です。人の批判や愚痴、悪口というのは「他責」であり、誰かを一方的に責める行為なので、あまり聞いていて気持ちのいいものではありません。ネガティブであることや、根暗な性格と、愚痴や不満が多い性格の悪さは一緒にできません。
暗い性格は、治さない。じっくり見つめて、認めるだけでいい。

自分の性格が暗いから、自分には価値がないとか、性格を頑張って治そうだなんて、思わないでほしいと思います。
それよりもまず今、真っ先にやるべきなのは「暗い性格という自分」をみとめることです。元々ネガティブな素質が強いのかもしれないし、今までの経験がさらにそれを加速させているのかもしれません。いずれにせよ「暗い性格の自分には価値がない」という感覚にだけは陥ってはいけません。明るくなるにはどうすればいいのか!?なんてことを考える必要もない。
まずは、今ここにいる自分を「これが自分ですけど、何か?」と言えるくらいに、じっくり見つめて、認めること。他の誰もわかってくれなくても、私はそれを認めるし、あなた自身もきっと認めることができると信じています。/Kandouya編集部
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