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HSPでも「生きづらい人」と「輝いている人」がいる事実。それでもあなたの人格を大事にすればいい

HSPだとみんな「生きづらさ」を抱えるの?

HSPの気質を持っている人は、誰もがみんな生きづらさを感じているわけではありません。

HSPと生きづらさの関係には「愛着の問題」が関係しています。

 

生きづらいという感覚は、愛着理論という幼少期の親子関係の問題と通じています。

多くの人が大なり小なりのHSP気質を持っているのに、生きづらい人と安定している人がいる。

その理由は何故なのでしょうか?

今回はHSPの生きづらさと幼少期の愛着問題について、深く掘り下げていきます。

 

HSPでも、自然体で生きられる人もいる

 

「あなたはHSPかもしれませんね」

子供の療育センターへ相談に行ったとき、指導員にそう言われたA子さん。

彼女はHSPのチェックリスト22項目のうち20項目に当てはまるのに、

「生きづらいと感じたことや、嫌になったことはない」

といいます。

 

確かにA子さんは、いろんなことに気が付くし、空気を読むのが上手。

物静かだけど話してみると面白くて、ためになることをいっぱい知っています。

でも、自分が嫌だと思うことを無理にやらないし、人に合わせて消耗したりすることはないらしい。

 

一方私はというと、人に合わせたり機嫌をとったりしてしまうことが多く、余計なことをぐるぐると考えすぎ、最終的にいつも自分の首を絞めてしまう。

交わす力がなく、人に翻弄されすぎてしまいます。

なぜ同じHSPなのに、こんなに違うのでしょうか?

 

人の性格を左右する『愛着理論』ってなんだろう?

 

愛着理論とは、小さなころに育ててもらった人との絆の形成のことをいいます。

 

愛着というのは、人間の人格の「核」となる部分。

家で言う基礎のコンクリートみたいなものですね。

 

家や建物は、基礎工事がしっかり施されていないと、欠陥住宅になります。

柱が歪んでサッシが閉まらなくなったり、床が傾いたりするのです。

これと同じで、人の人格の基礎となる部分が「養育者との愛着関係」なんですね。

育ててもらった人はもちろん両親、祖父母、その他…誰でも同じです。

養育者から、安定的で満足のいく愛情をもらっていたかどうか、あなたも振り返って見てください。

 

愛着に問題がある人は、とても多いもの。

「人格」なんていう言葉を使ってしまうと、精神疾患があるとか、社会に適合できていない人の問題とも思われがち。

でも、実際はそんなに遠い話ではありません。

親に対する不満がある人、何らかのわだかまりを抱えている人だと考えてください。

現代の日本では、愛着になんの問題もなく、ガチガチの強靭なメンタルを持っている人のほうが、むしろ少ないのではないか?とも思えるくらいです。

 

愛着の安定は、とても多くのことに影響します。

  • 仕事
  • 恋愛や夫婦関係
  • 人間関係
  • 生き方

生きているうえで起こりうる悩み、すべてです。

 

愛着形成が安定している人って、どんな人?

愛着が安定している人は、以下のようなことを問題なくできる人です。

  • 職場や学校に馴染むことができる
  • 集団行動ができる
  • 信頼できる友人が多い
  • 人との距離感を適切に保てる
  • 自分の意見を主張できる
  • 相手の意見を取り入れられる
  • 人を頼ることができる
  • 好奇心に従って行動する
  • チャンスをつかんで発展させることができる
  • 人生において総合的なバランスを保っている

 

これが普通に問題なくできている人は、愛着が安定していると考えていいでしょう。

逆に、この中に苦手なことが多い人は愛着の問題に偏り、歪みがあると考えてもよいです。

ちなみに生きづらさに悩んでいた頃の私は、上記項目のうち7~8割はできていませんでした。

もし、ご自身の愛着形成について知りたい場合は【愛着スタイル診断】と検索してみましょう。

ネット上で、大まかな愛着スタイルについて診断することが可能です。

 

HSPの生きづらさを増幅させる原因とは?

生きづらさや、日常的に疲労感を感じているHSPは、育った環境や親との関係に悩んできた可能性が高いです。

愛着はアダルトチルドレン(AC)とも関係が深く、HSP・愛着障害・ACの3つはかなり密接な関係にあります。

ACとは? 幼少期を機能不全家庭で育ち、子供時代を子供らしく過ごせないまま大人になった人のこと。
※ 愛着障害はACとイコールになる部分が大きいので、ACについては割愛します。

 

つまり、今の生きづらさの原因は幼少期の経験、育てられた人との絆の形成にも原因があるということです。

HSPという気質は、きっと子供のころから持っていたもの。

周囲の状況や人の気持ち、空気を読み取りすぎるこの敏感な気質の特徴は、幼少期にも発揮されていたはず。

  • 敏感さを周囲の大人や友達に理解されない
  • 親からの言葉が強く刺さりすぎる
  • 家庭の中で空気を読み過ぎる

こんな風に、ひといちばい環境からの影響を強く受けながら、悩みながら生きてきたのです。

愛着障害を抱えるHSPと、伸び伸び育ったHSP

HSPは、人の感情や場の空気、環境の変化に敏感に反応します。

無意識に影響を受けてしまうので、エネルギーを消費しやすく疲れやストレスを抱えやすい…

つまり、HSPの気質を持っていると、良いことも悪いことも無意識に反応し、吸収してしまうんです。

育った環境が良ければ、良い影響をどんどん吸収してのびやかに育つ。

逆に育った環境に問題があると、悪い影響をぐんぐん吸収して悪化していく。

同じHSP気質を持っていても、育った環境次第で心の状態は反比例していくのです

 

HSPで生きづらさを抱えている人は、育った環境における、親の顔色、機嫌、空気などを吸収して巨大な雪だるまのようになって生きてきた人。

固定概念や歪んだ思考に覆われて、自由に身動きが取れないのです。

 

それは当然、ものすごく疲れますよね。

尋常ではない疲労感だったはずです。

 

普通の人と同じ動きをしても、大きな雪だるま状態ではよりたくさんのエネルギーを消費してしまう。

HSPだから生きづらい、しんどいのではありません。

HSPという特性が、家庭環境によって悪い方向に向いてしまったのです。

HSPの特性を持っていると、ささいな親子関係のもつれにも反応し、ストレスを溜めます。

普通の人なら受け流せたことも、強く、重く受け止めてきたのかもしれません。

愛着の問題やACは虐待やネグレクト、離婚、死別などの深刻なものだけに関係するのではありません。

  • 兄弟と比べられた
  • 母親のメンタルが不安定だった
  • 父親が家にいなかった
  • 親の仲が悪かった
  • 親が仕事で忙しく構ってもらえなかった

などなど、本当にたくさんの親子関係にまつわるものです。

 

自分は問題ない家庭に育ったから関係ない…

そう思っていても、その生きづらさの原因はHSPと愛着の2つが合わさった結果である可能性がとても高いのです。

完璧な親、完璧な人間などいないのですから、むしろ愛着の問題と無関係という人のほうが少数派かもしれない、とも思います。

 

また、HSPの特性を持ちながら過酷な家庭環境で生きてきた人は、とっても強い人です。

よくぞ生き延びてきた!
いわゆるサバイバーです。

自分の過去と今、すべてを紐解いて、自分の人生を歩ける準備をしていってほしいと思います。

『なぜ生きづらいのか?』その原因を明確に

「なぜ自分がつらいのか」という原因を特定して分析することは、あなたの生きづらさを改善するために大切なことです。

どんなことでも

  • 原因の特定
  • 改善策
  • 実行
  • 成果

 

という成功の流れがあります。

人の心や過去のトラウマも例外ではないと、私は考えているのです。

原因を明確にすることは、今後どう生きていけばいいのかを知る最初の一歩となります。

生きづらいのは決してあなたが弱いからではありません。

今まで生きてきた環境や関わった人々、言われた言葉、そして、自分自身の気質。

多くの要因が合わさって、今のあなたを作っているのです。

  • HSPという気質について深く理解すること
  • 自分過去のルーツを辿ること

この2点を意識して分析していくと、今よりもぐっと生きづらさが和らぐはずです。

少し難しく、つらい作業になることもあるかもしれませんが、少しずつ自分の心の絡まった糸を解いていきましょう。

 

(ライター・夏野 新)

 

参考文献:
愛着障害 子供時代を引きずる人々/岡田尊司
子供の敏感さに困ったら読む本/長沼睦雄

おすすめ書籍《トラウマ・HSP・アダルトチルドレン》

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