
いつも恋愛関係が上手くいかない人、すぐに利用されたり、報われない恋をしてしまう……それは、意外なところに原因が隠されているかもしれません。
好きな人や恋人がいるのにうまくいかないのはどうしてなのか。つらい恋愛の現状をどう変えていけばいいのか一緒に考えてみましょう。
恋愛がつらい理由は「苦しい努力」をしているからかも

恋愛にはいろいろな形、状況があるのですべてのケースを一概にひとつにまとめることはできません。しかし、恋愛が「苦しいもの」になってしまう人は、自分を責めたり頑張りすぎたりして、疲れてしまうことがあります。
自分がもっと頑張れば、振り向いてもらえる?
好きな人や恋人に対して「もっと愛してほしい」とか「振り向いて欲しい」という思いが強いと「自分がもっと頑張って、恋人の心を動かそう」と思ってしまうことがよくあります。
- 相手の言うことを何でも聞く
- お金や物を与える、援助する
- 特別な存在になるために体の関係を許す
- 嫌なことをされてもがまんする
好きな人に振り向いて欲しい、自分を好きになってほしいと思えば思うほど「ではそのために自分は何ができるだろう?」という考え方になりますよね。これは、当然の摂理です。
しかし、そこで「苦しい努力」をしてしまうことで恋愛そのものがつらくなっていきます。根本的に、自分自身が「努力すると幸せになれる」「幸せを手に入れるにはいろいろなことをがまんして頑張る必要がある」と思っている場合も多いのではないでしょうか。
相手がその気持ちに純粋に心打たれたり、感謝してくれることで「大切な人だ」と思ってくれればそれは円満な恋愛になっていきます。
しかし、けっこうな割合でそのような相手の努力に甘えて、付け込んだり、もてあそんだり、いいように利用したりする人も出てきます。これは恋愛だけではなく、すべての人間関係にで起こることです。
一生懸命苦労して努力し、人に尽くす。それに甘えたり、都合よく使う。ほとんどの場合、これをお互いに「無意識」でやってしまうため関係が泥沼化することが多いです。
一方は「特別な存在になりたい」とか「認められたい」という思いが心の根底に隠されています。そしてもう一方は「甘えたい」「自分を許してほしい」という心理が隠されている。自然とそういう願望同士が引き寄せ合ってしまうことも少なくありません。
愛されないのは自分のせいだと責めてしまう
一方が「苦しい努力」をして、それに一方が甘えるという関係は「共依存」とよばれます。一生懸命に尽くす側は愛情を求めていろいろな奉仕をしますが、そんな風に献身的に支えてくれたり、どんな理不尽もがまんして許してくれる存在がいないと生きられない……という、お互いがお互いに依存しあっている状態になります。
これは、どちらか一方の問題ではなく、両方に心の問題があると考えられます。ただ、苦しい努力をしながら尽くす方が圧倒的に不利な状況になりますし、その多くが女性という性的に弱い立場の女性になりやすい傾向もあります。
しかし、苦しんで耐えてしまう側は「自分の努力が足りない」とか「魅力がない」「あすべて自分のせいだ」というように感じている部分も大きいです。ただ、このようながまんや自責というのはずっと続くわけではなく、あるとき爆発してしまうもの。
健全ではない関係が続けば、当然ストレスが溜まり、ネガティブな感情がどんどんたまって消化しきれなくなるのは当然ですよね。今まで献身的に尽くしてきた人も、積もり積もったものが爆発し、突然キレたり、感情がコントロールできなくなってしてしまうことも当然あります。このような流れは当たり前のことで、自然な反応であるともいえます。
恋愛と「愛着の問題」は切っても切り離せない

健康的な恋愛ができない、いつもつらい思いばかりしてしまう……という人は、その根底に「親子関係の愛着」の問題が隠されています。
「愛されるためには、努力しなければいけない」「好きな人の気持ちを惹くためにはどんなことでもできる」そんな風に無理してしまうのは、親子関係でそのような関係性を学んでいるからかもしれません。
「親に愛されるためには、努力しなければいけない」「親の気を惹くためには、どんなことでもできる」「愛してくれるならなんでもがまんできる」
こんな風に深層心理で思っている場合が多いのではないでしょうか。もちろん、自分で意識できない心の深ーいところにそんな欲求の満たし方が根付いていることもあるので、少しずつそれを掘り起こすことも必要でしょう。
恋愛がつらい、苦しい……その気持ちをまずちゃんと感じる

つらい恋愛や、苦しい努力をしているときに、誰かに相談すると必ずと言っていいほどこんな答えが返ってきます。
「そんな恋愛やめなきゃダメだよ」「自分を大事にしなくちゃだめだよ」
99%くらいの確率でこのような助言を受けると思うんですね。確かに、その通りです。幸せになれない相手のことは、見切りをつけなければいけない。それは、悩んでいる自分自身が一番よくわかっていることだと思います。
ただ、相手に「愛されたい」「好きだ」という気持ち、感情は確かにそこにあるんですよね。でも「忘れなきゃ」「こんな恋愛やめなきゃ」という風に、どんどん否定的な考え方になっていきます。そして、それに輪をかけるように周囲も「ダメだよ」なんて言ってくるわけです。
これでは、肝心な「愛されたい」「好きだ」というあなたの感情はどこへいくのでしょうか。この先どんな選択肢を取るかは今はいったん置いておいて、まずは「自分はあの人が好きなんだ!」「あの人に愛されたいんだ!」ということをしっかり吐き出して、感情を感じ、表現することがとても大切なのです。
「感情」をしっかり認めると、その先は理性が働いてくる
たとえば、子どもがわがままを言ったとき「ダメよ!」「いいかげんにしなさい!」と抑え込んでも子どものわがままはエスカレートするか、もしくは抑え込んで感情表現が上手くできなくなっていくという事例があります。
これは大人でも同じことで、何かを望んだときに「こんなのダメ」「やめなくちゃ」と抑え込むことで、なかなか解決しなかったり同じことを繰り返してしまったりすることがあると思うのです。
でも、もし誰かが「いろんな事情はあっても、あの人のことが好きなんだよね」「好きになっちゃったものはしょうがないよね!」と言って、あなたの感情を認めてくれたら、徐々にうまくものごとの方向性を定めていけるようになります。
理性が上手く働いてきたり、冷静に頭を整理できたりするのです。だからこそ、今のれないのつらさ、苦しさ、相手への気持ち、本音、そういうものを全部どこかで吐き出すことが非常に大事。そして、それをしっかり自分で認めていきましょう。
夜も眠れない恋愛の悩みは、理屈だけでは解決しない

夜も眠れないほど、悩んでしまうような恋愛。それは絶対に「理屈」だけでは解決しないのです。
未来の自分にとっていちばん良い方法を考える?
自分を大事にする考え方を見に付ける?
そういうことはもっと後でいいと思います。今はまず「どうしようもないこの気持ち」「抑えられない欲求」というものをしっかり吐き出して、感じ取ってください。
第一段階として「感情」を正しく感じて表に出すことをしないと、その先も理屈や思考を使うことはできないと私は考えています。/Kandouya編集部
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