友達の様子がおかしいと思ったら、恋愛相談された……! 仕事の大事な選択について相談された……!
私はどうすれば……!?
何を、どう聞けばいいのか……
相談って、受ける時は思わず身構えてしまいますよね。何をどう対処してあげたらよいか、わからなくなることがあります。
しかし信頼されているからこそ相談してくれたんだから、真剣に聞いてあげたい。
相談を受ける時のコツって意外と単純なんです。
相談をされた時は「相手の状況を見極める」ことと「相手が求めていることをする」という2つの段階を踏まえて対処してみましょう。
相談された時はまず「相手がどんな状況か」を見極める

相手が「あのさ…」と相手が切り出して初めて、あなたは相手の状況を聞くことができます。相手は事実を分かっていて、あなたは分かっていない状態です。
まず、相手と自分のギャップを埋めるところから相談はスタートします。
相談をする人がおかれている状況は、主に3パターンです。
- 自分の感情がまだ分かっていない
- 感情の発散ができていない
- 解決策を探している(本人の考えに納得がいっていない)
相手の様子を見て、どれに当てはまるかを判断してみましょう。
1.自分の考えをまとめたい
問題が起こって間もないケースや、ずっと同じ問題を抱えている場合、自分の考えをまとめるために人に話したい気持ちになることがあります。
相手は起こった事実を理解していますが、それに対して自分の考えや感情がまだまとまっておらず、混乱している状態です。
「どんなことがあった」という、できごとの説明はできます。
でも「じゃあその時どう思ったの?」「今の自分はどんな気持ちなの?」と聞いてみても、なんだか曖昧な答えばかりで掴み所がない…
そんな相手の心の中はまさに大嵐。引っ掻き回されて何が何だか…と混乱しているのです。
本人でさえ心の中がよく分かっていない状態なので、まずは気持ちを整理させてあげるのが正解。
相談内容があまりにヘビーだと、相手自身も一度で向き合うのは難しいかもしれませんが、時間をかけてでも自分の気持ちを整理できるように聞き役に徹しましょう。
2.共感してほしい
「ねえ、まじむかつくんだけどさー!」なんて、自分の感情を前面に出した相談は、共感してほしい可能性が高いです。
「自分の考えをまとめたい」という場合と違って、すでに相手の中で、起こった事実への感情が追いついています。しかし、発散させる場所がなくて困っているせいで、今にも感情が爆発しそう…という状態ですね。
しかし、まだ具体的にこれからどうするか考える段階には至っていません。沸き起こっている感情があまりにも強すぎて、冷静に考えられる状態ではないのです。
3.解決策を探している
すでに相手の中で、起こった出来事や感情の整理ができていて、具体的な解決策もいくつか出ている。
しかし、どれを選べばよいかわからない場合や、他にもっとよい解決策はないか? と考えていることも多いです。この場合は、すぐにでも案を出したり、具体的アドバイスに持ち込んでも大丈夫でしょう。
ここまで自分でしっかり考えてきたことを肯定しつつ、一緒に具体的な解決策を話し合っていきましょう。
相談された時、あなたができる対処法は?

相手の状況が把握できたら、あなたの出番になります。人の相談に乗るときに大事なことを、順を追って確認してみます。
1.相談された時の3原則を守る
相談を受けたときは「傾聴(けいちょう)」のテクニックを使うのがポイント。聞く側の姿勢によっては、相手がより話しやすくなったり、問題解決まで近道することもできます。
相手の話を遮らない
相談された時は「相手の話を遮らない」ことを徹底しましょう。相手の事情や感情を聴くときはもちろんのこと、アドバイスをする途中で相手がなにかひらめいたように話はじめたときは、相手にターンを譲ります。相談された時は「主役は相手」という意識をもっておくとよいです。
相手の気持ちを尊重し・共感する
相手の気持ちを尊重することも、かなり重要です。
「でも」「だって」「ただ」「それは違う」などと、相手を否定する言葉や、自分の意見を押し通すときに使う逆説の言葉をかけないように注意しましょう。本当に相談を真摯に受け止めたいなら、相手ファーストであることを忘れないように。
言葉以外にも注目する
相手の言葉だけでなく、しぐさや表情などに注目してみるのも大事です。言葉では、ひとつの解決策について話していても、視線が俯いていたり、声のトーンが低かったりすると「本当は、そう思っていないけど、そうしたほうがいいのだろう……」という迷いが隠されているなんてこともしばしばです。
ちょっと難しいことではありますが、意識して目を向けるようにすると察知できることが確かに増えます。
2.相談は、通話や対面がベスト
LINEやメールなど、文字だけでやり取りするのは極力避けるのがベター。文字だけでは細かいニュアンスが伝わりません。
「あ、これはなにか相談したいのかもしれないな」とわかった時点で「今通話できない?」と持ちかけてみましょう。少し強引でも良いので、なんとかして文字ではなく声でやり取りできるようにもっていきましょう。
3.感情的な相手には、否定も賛同もしない
感情的になっている相手は「まじむかつく!もうやめてやる!」と、感情に任せて先に結論を出そうとする人もいるでしょう。
しかしここでは同意も反対もしないことが鉄則です。
「え、何があったの?」と聞くのが最善。
とにかく爆発している感情を発散させるためにも、根気よく聞き役に回ります。感情がある状態なので、感想ではなく事実を詳しく聞くようにしましょう。本人も見落としている事実が隠れているかもしれません。
本当のことを正しく、客観的に理解させてあげるためにも、事実関係を聞いて言葉にさせてあげましょう。
4.「より具体的」なアドバイス
相手が、自分の感情も分かっている、感情もある程度落ちついている。その上で、「どう思う?」と聞かれたら、やっとあなたが話す番です。相手に起こったことの事実、感情を確認した上で自分の考えを言いましょう。
この時の「考え」とは、「相手がこれからどうすれば少しでも幸せに近づけるかの具体的な方法」のことです。
例えば……
- 今日から1週間彼氏にLINEをしないで頭を冷やす
- 相手に正直に自分の気持ちを話して、相手の考えも聞く
- 連絡先を全部消して別れる
状況によって、方法はいろいろあるでしょう。
ただ、大事なのは、具体的に言うことです。
ただ単に「連絡しないで様子を見る」「話し合う」「別れる」などのアドバイスは具体的ではないので、相手は結局自分がどうすればいいのかわからないままになってしまいます。
もちろん、あなたが提案した解決策を相手が気に入らない場合もあります。常に相手の様子を伺いつつ、また言葉を慎重に選んでくださいね。
ここでポイントになるのは、あなたのアドバイスを相手が気に入らないような素振りをみせた場合、それは相手があなたにまだ言えていないことがあるサイン。
また、実は自分の中にすでに別の答えが出ていて、それを認めたくないのかもしれません。
そんなときは「どこがいや?」と聞いてみましょう。「じゃあどうしたいの?」と聞くのは喧嘩腰に聞こえるので控えましょう。
相手が「いやなこと」に注目して言葉にして表現できたら、そこから解決の糸口が見えることもあります。
相談された時は、ここに細心の注意を!
注意してほしいのは、あなたの意見はあくまで「あなたが考えている方法」であり、正解とは限らないということです。
問題に正解を探そうとすると、人生観や恋愛観など、哲学的なところにまで話が発展してしまうこともしばしば……。あくまで一個人の意見であることは、強調しておいたほうがいいでしょう。
また、間違ってもあなたの主観だけを強く語ったり、あなたの経験談をメインに話したりするのはやめましょう。相談役の話が長かったり、完全にターンを奪ってしまったりすると、相談を持ち掛けた人が置き去りになります。相手は自分のことだけで手いっぱいなので、自分の話ばかりしないように注意しましょう。
相談をされた時の対処法は、相手の目的を見定めて寄り添うこと

相談と一言にいっても、相手の状態によってあなたの立ち回り方は全く変わります。
まずは聞き役に徹して相手の状態を把握して、そこから自分の役目を考えて対処するのが相談された人の役目です。
相手はすがるような気持ちであなたに連絡してきています。茶化したりごまかしたりせず、真摯に向き合ってあげてくださいね。/Kandouya編集部