
もし、あなたが今「友達が欲しい」「居場所がない」と思っているなら、ネットの世界に友達を作ってみませんか。
インターネットは、人々の暮らしを快適にするために作られた科学の技術です。昔は、身近にいる人としか話すことができず、顔を合わせることもありませんでした。
でも、今は世界中の誰とでも、親しくなることができます。会ったことがない人が、自分の心の支えになったり、会ったこともないのに一緒に仕事をしたりできる時代なのです。
ただ、ネットで友達を作ったことがない人にとっては
「本当にそんなことできるの?」
「騙されたりしたらどうしょう」
そんな不信感も抱いているのではないでしょうか
どうやってネットで友達を作っていけばいいのか、この広いネットの世界に居場所なんてあるのか……それを、私の実体験を踏まえてお話していきます。
ネットで本当の友達なんかできるの?

私は、ネットで出会った友達と結婚し、ネットで出会った友達と仕事をしています。
自分にとって、重要な存在となる人はいつもインターネットの中にいました。
それはどうしてなのでしょうか? これには深い理由があるんです。
ネットの友達には「期待しない」
※今回は「匿名性」のネットの付き合いにだけに言及します。
ネットの友達って、正直期待値が低いんですよね。リアルの友達には「私のことを良い人だと思って欲しい」とか「また誘ってくれるかな」とか、いろいろと期待をする場面があります。もちろん、あなただけでなく相手も同じです。「誘ってあげたのに」とか「良い人だと思ってたのに」とか。
こんな微妙な「期待感」と「期待外れ」って、リアルの世界ではよく感じると思うんですよね。
でも、実際に会うつもりがないネットの友達って、正直相手に好かれようが好かれまいが、あんまり関係ないんです。
「そのとき、その瞬間の会話ややりとりが、楽しければいい」
今あなたが思うことを、思うままに言える。これって、実はすごく大事なことなんです。
フィーリングが合う人とだけ、自然に付き合いが続く。
なんとなく合わない人とは、自然に接触する回数も減っていきます。だから、自然に自分の感覚と似ている人に、焦点が絞られていくんですね。
ネットの友達は、あなたにレッテルを貼らない
匿名性のアカウントの場合、ネットの友達があなたに対してレッテルを貼ってくることって、リアルの世界より圧倒的に少ないんです。
もちろん、アイコンやプロフィールの内容によって、あなたの情報やイメージが与えられている部分もあります。
でも、そのイメージなんて実はすごく弱いもので、対面で接している人達とは全然感覚が違います。
- 本名
- 年齢
- 出身校
- 家族構成
- 地元
- 職業
- 外見
- ファッションセンス
こういう、人のイメージを勝手につける材料が、ネットの中には一切ないのです。その分自分を演じることやキャラづくりをしてしまう人もいるわけですが、相手からあなたへのレッテル貼りは、現実世界よりもはるかに少ないです。
ネットに居場所を求めている人は、自分と似ている
ネットに居場所を求めている人は、あなたと同じようにリアルの世界では弱者やマイノリティである可能性が高いです。
- 心を許せる友達がいない
- 誰とでも仲良くできる性格じゃない
- 個性的な趣味をもっている
- 性別にとらわれたくない
- 本当の自分がわからない
- 自分の内面を責めやすい
- ネガティブ思考
- 話すのが下手
こんな風に、対人関係にコンプレックスをもっていたり、それをうまく改善できずにうちにこもってしまっている人が多いです。
リアルに、親友がいて、恋人がいて、家族もあったかくて、暇なときに気軽に誘える人がいて……という人は当然ながら、ネットに居場所何て求めません。だから、ネットで誰かと話したい。何も気にしないで、そのままの自分で話せる相手が欲しいと思う人は、ネットに居場所を求めているのです。きっと、あなたと同じように。
嫌な人はすぐに切れる「しがらみ」のなさ
今の時代、繋がってもすぐに「切る」ことができます。
「ブロック」を一度タップすれば、相手とはもう接触しなくていいのです。
この「すぐに切れる関係」を、今まで悪く言う人がすごく多かったです。
- 人間関係が希薄になっている
- 今の若者は、繋がってすぐに切るような関係しか築けない
- コミュニケーション能力に欠ける
こんな風に「すぐに切れる関係はダメ」と否定されてきたわけです。
でもね、よく考えてみたら
「言いたくても言えない」
「縁を切りたいのに切れない」
「嫌なのに、断れない」
こういう「しがらみ」によって自分の気持ちをごまかしたり、押し殺したりして、どれだけの人が人間関係に悩んでいると思いますか?
本当に本当に、たくさんの人が病んでいます。私は、すぐに切れる関係でいいと思います。すぐに切れるのに、切らなかった人には重要な縁があるということですから。
「悩みながらも、人と付き合え」という考えは、もう古いんですよ。
青春を知らない人こそ、ネットで友達をつくってほしい

現実世界の友達に、あなたはどれだけ本音で話せていますか?
私は、昔も今も本音の30%くらいかな、という体感です。
リアルの世界って、すごくまどろっこしいんですよね。
「おはよう」「元気ー?」「最近どう?」「髪切った?」
こういう当たり障りのない会話から、順番にはじめていかなければならない。実際、リアルな世界でだから「〇〇ってバンド、サイコー!」とか「宇宙の95%は正体不明らしいよ!すげー!」とか、そういうワクワクするような自分の好きな話までたどり着くのはすごく難易度の高いことなんですよ。
大学で特定のサークルに入っているとか、一緒に誰かと音楽や芸術をやる人、スポーツをする人っていうのは、そういう自分の「好き」を共有し合う友達に出会いやすいです。だから、青春時代を謳歌した人は大人になっても「強く、輝いて見える」んですね。全ての人がそうではないにしても、その傾向があるということです。
何らかの事情で思春期を楽しめなかった人、多感な時期に誰とも関われなかった人……
そういう人は、もっとネットの世界を通じて、自分の中の「好き」を誰かと共有したり、話したりしてほしい。そうすることが、あなた自身の心の安定とか、喜びとか、幸せとか、ポジティブなものを生み出すからです。
ネットの中には、わかりやすくコミュニティがあったり、好きなものの情報発信ができます。
- twitterでハッシュタグをつけて好きなカルチャーについてつぶやく
- 共通の趣味について発信する人のライブ配信に参加する
- Spoonのようなネットラジオを覗いてみる
- Google+ コミュニティでコアな趣味やカルチャーの集まりを作る(参加する)
こんな感じで、方法はいくらでもあるんですね。私が昔ネットの友達とやり取りしていた頃と、メディア自体は変わっているのですが、基本的に利用する人達の目的ってあんまり変わっていないんです。
リアルなしがらみに疲れた人、本音で好きな話ができない人が、こうしたネットコミュニティに興味をもつんです。
青春はいつでも舞い戻ってきますよ。
今のSNSは、フォローする人を慎重に選ばないと「現実世界と同じ」になる

twitterやInstagramのようなSNSは、自分のしたいことやフォロワーさんに求めることがはっきりしていないと、リアルな世界と同じような本音を言えない場所になるので注意しましょう。
そもそも、居場所が欲しい・友達が欲しいと思っている人は、きらきらしたSNSの世界とは相性がよくありません。みんながやっているから、誰でもいいからとりあえず繋がりたいという理由で始めると、SNS疲れの原因になります。
あくまでも「発信」というスタンスではなくて「居場所」をつくることや、ネットを息の落ち着ける場所にしなければ意味がないのです。
ネットに居場所や友達を求める方法

ネットに居場所を求めるのなら、肩の力を抜いてとにかく「どんな自分でもOK」という気持ちで向き合いましょう。
好きなこと、没頭できることに注力するだけでいい
ネットの世界では、好きなことや没頭できることだけに注力すればいいです。
誰かとの会話でもいいし、ネット配信でもいいし、コミュニティにたむろすることでもいい。友達作らなきゃと、肩に力を入れて意気込むと、ネットもリアルも同じことになるので気をつけてくださいね。
とにかく、ネットは逃げ場なんです。リアルでは日々何とか頑張っているのなら、ネットは安らげる場所でいいのです。
そのありのままの自分にも必ず誰かが寄ってきます。知らないうちに、繋がりができます。縁のなかった人は自然と切れて、いつの間にか「親友」ができているなんてパターンも決して珍しいことではなく、実際にあることですよ。
違和感のある相手には、無理に合わせない
違和感のある相手に合わせる必要はありません。自分に自信のない人や、気の優しい人ほど、そういう相手に合わせたり引っ張られたりしてしまうものです。
もちろん、時にはそんな悩みも出てきます。ネットと言えども、画面の向こうには生身の人間がいて、感情があって、今のあなたのように居場所や友達を求めているわけですからね。
でも、無理に合わせる必要は一切ありません。
すぐに会うのはダメ! 会うだけが友達じゃない
ネットである程度交流があると、すぐに「会おうよ」と言ってくる人がいます。そうした対面の温度感を大事にする人も多いです。
しかし、私は知り合ってすぐに会うというのは、おすすめしません。
ネットの友達は、会わないから本音で話せるんです。しがらみがなく、期待もしないしされない。だから、本当の自分のままで接することができるわけです。知り合ってちょっと話が弾んだからすぐに会ってしまうのでは、結局またリアルの友達関係と同じような「上っ面」感が出てくる場合もあるのでは。
誰とでも繋がれる時代だからこそ、本当の友達を見極める力をつけて

ネットやスマホが普及して、今までよりも人との繋がりが簡単にできるようになりました。また、すぐに切ることもできる関係。私はそれを、とても素晴らしい科学の進歩の結果だと思っています。
遠く離れていて、会ったこともない。
でも、不意にネットの友達のことを思い出して「あっちは雨振ってるかな?」と気にしたり、「これ、見せたいな」と思ったりするんです。
会う回数や、その人の身辺情報をどれだけ知っているか、その人がどんな顔か。そういうのって、あまり重要じゃないんです。人が考えていることとか、好きなこととか、ピンとくる直感とか。そういうもので繋がるって、ものすごいエネルギーと勇気を与えてくれます。
だから、ネットの中に居場所や友達を求めてみてほしいのです。味わえなかった青春とか、忘れてしまった青春を思い出してみるのも、いいんじゃないかなと、考えています。/Kandouya編集部