
自分の友達、みんなとってもいい人たちばかりなのに、なぜか一緒にいると疲れてしまう……
しばらく誰とも会わないで、ひとりで過ごしたい。いや、むしろ友達なんてもう面倒だからいらない。
そんな「友達疲れ」は、もしかすると自分の友達との付き合い方の傾向がわかっていないだけかもしれません。
世間一般には、学校や仕事でも人とのコミュニケーションを楽しんで、プライベートでも友達と時間を共にするのが「真っ当」とされがちなところがあります。いわゆるリア充という言葉も、その象徴です。
でも、世の中にはそんな風に常に友達と一緒では、疲れてしまう人もいるんです。
友達に疲れると感じるのは「狭く深く」の関係が合っているから

友達といると疲れるのは、あなたは狭く深くの交友関係を好むからではないでしょうか。
その「狭く深く」の範囲というのも実はひとりひとり違います。
広く浅くよりも、狭く深くの交友関係がいいということは、耳にする機会のある人もいますよね。
もしかすると、今あなたが抱えている友達の数って、自分の許容範囲を超えてしまっているのかもしれません。
狭く深くって、何人とどのくらいの距離感のことをいうの?
じゃあ、狭く深くっていったいどの程度の範囲で、どのくらいの距離感の関係をいうのか。
それは、人によって全部違うと思ってください。ちなみに、私は3人です。
詳しく言えば……
10年来の友人が1人。
このメディアの編集長で1人。
夫も1人にカウントします。
「夫は数に入れないで!」という声が聞こえてきそうなので、正味2人ということになりますね。
付き合いのある友達はみんないい人だし、好きなのに、どうしても疲れる。そう感じているあなたは、もしかすると「狭い」のキャパを少し広めにとってしまっているのかもしれないのです。
私も以前は、何人もの人と同じように交流しようとして消耗し、疲れていました。そのときは、自分の交友関係のキャパというものがわかっていなくて許容範囲を超えてしまっていたのです。
友達とどんなことを話し、どんな時間を過ごしたいのか
狭く深くの関係を突き詰めて考えていくと「友達と、どんなことを話してどんな時間を過ごしたいか」ということが重要になってきます。
これがはっきりしていないと、その狭いゾーンに入れるべき人を選択できないからです。
例えば私は、芸能人の話やドラマの話などはほとんどしません。まれに「こんなすごい映画あった!」とかそういう話はしますが、世間で話題になっていることや、時間を埋めるような雑談というのはすごく疲れてしまうんです。
本当に深い友達とは、おのずと「意義のある話」になっていくんですね。
自分が求めていない会話をしたり、相手に合わせながら時間を過ごすと、ものすごく疲れます。自分がしたくない話、興味のない話を、相手のテンションを探りながら合わせることになるので、それは疲れて当然なんです。
もちろんこれは、広く浅くの交友関係を築いていたら必ずやらなければならなくなります。
よく言えば「自分流」や「自分の世界観」が強い人です。自分が楽しいと思う話をしたいし、有意義な話がしたいのです。
そして、悪く言ってしまえばちょっと不器用な人、ともいえます。
でも、不器用な人ってすごく魅力的なので私は好きです!
その人にしか、話せないこと、わかってもらえないことがある
深く狭くの関係では「あなたくらいしか、私の気持ちわかってくれないんだもん!」という切実な思いをお互いに持っています。
- 他にわかってくれる人がいない
- こんなことにイライラした(あなたならわかってくれる)
- 仕事の方向性や将来の話
- マニアックで共感を得にくい感動
- 身内や家族の話
- 自意識的な話
- マイノリティな趣味や文化
こういう、誰にでも話せるわけではない話ができる人が、本当の友達です。だから、それ以外の比較的誰とでも話せるような会話になりがちな人は許容範囲外としてしまってもいいわけです。
合う頻度が少ないのに、関係が続いている友達
友達って、本当に仲がよかったら毎日会ってもいいし、しょっちゅう遊んだり飲みに行ったりする。
それも、意外な大誤解かもしれませんね。
狭く深くのゾーンに入れるのは、合う頻度が少ないにも関わらず関係がずっと続いている人です。
それは、定期的に会うことでお互いがエネルギーチャージできたり、感情を解放したりして、そこからまたしばらく頑張れるという「ご褒美」でもあるんですね。
基本的に狭く深くの友人関係を好む人は内向的な性質をもっている部分もあるので、毎日誰かと会うことや、ひとりの時間がなくなることで精神的に疲れやすいです。
だから、頻繁に友達に会うということ自体があなたの疲れの原因になっている恐れがあるのです。
友達付き合いに疲れるなら、友達を分けていい!

友達との付き合いに疲れると思うのなら、友達を「親友」と「一般の友達」に分けていいのです。
友情を大事にするというのは、どの友達も分け隔てなく会ったり接したりするということではありません。
そして、それと同時に「友達なんか全部いらない」と投げやりになることでもないのです。
日常の中にいる友達
あなたの学校や職場、ママ友など、社会生活を営む上で「日常的に交流する友達」がいると思います。
この辺の友達は、ときに笑って話すこともあるし、ランチや飲み会にいったり遊びに出かけたりすることもあるでしょう。
でも、狭く深くゾーンの人ではないので「一緒にいて疲れるのは当然」という意識でいてください。
その場はそれなりに話したり楽しく過ごしたら、その後は一人の時間をしっかりと設けて休養しましょう。
友達と遊ぶことも「休養」の一種であると勘違いしやすいですが、例え遊びでも相手に気を使ったり、多少合わせたりすることがあるので、神経はけっこう疲れているものです。
狭く深くゾーンの友達
本当に心を許せる友達は、相手が自分に何を言っても、時間に遅れても、おならをしても、多分笑って許せるのではないでしょうか。
自分の中で「この人ならもうなんでもOK」という深いラインって、誰にでもあると思うんですよね。そこまでいった友達は「大事にする」とか「感謝する」とか、そういう対象だけでもなくなります。
なくてはならない充電器なんです。
だから、その友達と他の友達は分けて考えてOKなのです。全ての人を均等に大事にすることもできないし、全ての人と同じように「深く」関わろうとすると、どの関係もぞんざいになり、中途半端になることもあるんです。
友達といるのが疲れるなら、自分のキャパを常に意識しよう

友達は大事なものですし、浅く広くの交友関係に助けられることも多くあります。人が日常を渡っていく中で、人との繋がりってやっぱり必要です。
だからこそ「すべての人と均等な付き合い方」をする必要なんてないし、それは無理なことなんです。
友達関係が「面倒だな」「しんどいな」と感じたときは、自分の中のキャパを確認するタイミングがきているのかもしれません。もし、あまり気の進まない友達の誘いを受けたら、適当な理由を作って断ってもいいのです。あなたが「行きたくない」と思うなら、行かなくていいんですよ。相手が悲しむだろうと思って、合わせてきたことで今の「疲れ」が出てきているということを忘れないでくださいね。
ちょっと言い方は悪いかもしれませんが、自分の心の中で、好きな人・大事な人ランキングをつけてみてもいいと思います。そこから見えてくる自分の交友関係や、キャパというものがあるはずです。ただ、それを誰かに話したり、どこかに書き込んだりするのは危険ですし、人を傷つける恐れもあるので絶対にしないでくださいね。
狭く深くゾーンの友達が1~2人でも、全然おかしくありません
友達の「狭く深くゾーン」が、5人6人……10人!という人だっています。私みたいに、2人までしか無理という人もいる。
自分がどこのラインでも、全然おかしくないし、寂しい人なんかじゃありません。何人からならよくて、何人以下はダメなんて決まりはどこにもありません。
私は深い付き合いの友達はあまりいませんが、適度な距離感と節度をもった友人というのはもう少しいます。
でも、その人たちのことが嫌いとか、合わないというわけではまったくありません。ただ、完全に気をゆるすことができないために、気を使ったり合わせたりすることが多く疲れやすいだけです。
受け入れられる友達の数が少なくたって、何の問題もありませんよ。
友達といるのが疲れる、そんなときはひとりになっていい

友達と一緒に過ごすのが疲れるなと感じたときは、その気持ちをちゃんと事実として受け止めて休みましょう。
休むというのは、ひとりになって自分の思うように、したいように過ごすということです。遊びだからといって、人と一緒にいる以上あなたが完全に自由になっているわけではありません。
漠然とした疲れや違和感をもっと大事にしてくださいね。そして、自分の中だけの基準で友達を選んでいいということ、また友達の中でも深いゾーンとそれ以外の人をわけて考えてもいいということを、覚えておいてほしいです。/Kandouya編集部