あなたには、大嫌いな人がいますか?
嫌なことを言われたり、軽く見られてバカにされたり、理不尽な目にあわされたり、都合の良いように使われたり……
いろいろな例があると思いますが、どんなに良心的に見える人でも、心の中で人を嫌うことはあります。
嫌いな人に対して、どう接したらいいだろう。
どう避けたらいいのだろう。
波風を立てずに遠ざける方法ってあるのかな……
そんな悩みをぐるぐると巡らせてしまうことも多いのでは。
嫌いな人への最善な対処法って、実はたったひとつしかないんです。
それは嫌いな人のことを気にしないようにすることでも、短所より長所を見るようにすることでも、捉え方を変えることでもありません。
それは、今すべきことではないんです。
嫌いな人に無関心になることなんてできない!?

嫌いな人がいても、その人のことを考えるだけで無駄。無関心になって、大人な対応をしなくちゃ……とよくいいますよね。
でも、それは逆効果になることがあります。
「気にしないようにする」のは無理
嫌な人のことを気にしないようにする、ということは「自分の感情をないものにする」のと同じです。
嫌だと思うことや、ネガティブな気持ちに蓋をしても、絶対に消えません。
嫌なことに対して「大人な対応」「気にしないフリ」を続けていると、自分の感情がわからなくなってしまいます。
人には「見てはいけないと言われると、余計に見たくなる」心理があるんですよね。心理学では「カリギュラ効果」といわれるものがあります。
これって「こわいもの見たさ」のようなものだけでなく「気にしないようにすることで余計に気になる」という現象にも言えることだと考えています。
「嫌な人のことは気にしないようしよう」と思えば思うほど、気になるし鼻につくしで余計にストレスが溜まっていくものなんですよ。
臭いものに蓋とはまさにこのこと。上から蓋をしても何かで覆い隠そうとしても、その臭いが消えないのと同じです。
いいところを見つける努力をすべき?
嫌いな人にも、いいところがある。だから、嫌いなところだけじゃなくて、いいところを探す努力をしよう……というのもよくいわれることだと思います。
しかし、自分の感覚を狂わせてしまう行動になりかねません。
確かに捉え方を変えることは必要な側面もありますが、それは嫌いな人のことで悩んでいる最中である「今」すべきことではないですし、意識してやる必要もあるのかどうか疑問です。
人には好き嫌いがあって当然。
感情というものがある限り、嫌いなものを否応なく無視することはできません。
事実を見ないようにしているうちは、捉え方が変わることもないのです。
「大っ嫌い!!」と叫ぼう。嫌いな人を遠ざける第一ステップ

嫌いな人に対して、まず最初にやるべきことは、自分の心の中で「大っ嫌い!!」と叫ぶこと。
何かに書いてもいいし、信頼できる関係性の人に言うことでも効果が高いです。
「私は、あの人大っ嫌い!顔も見たくない!あれもこれも全部嫌なんだ~!」
そんな風に、全部認めてください。これをやらないと、人への嫌悪感を長く引きずることになります。
これは、相手が人の場合だけでなく、ものごとや場所などにも同じことがいえるんです。
「もう私はあの仕事大嫌いなんだ!」
「あのグループが嫌い!大嫌い!」
「こんな仕事なんか、全然したくない!嫌い!」
そんな風に一度自分の感情を全部受け入れて、自分自身がそう思うこと、表現することにOKを出す必要があります。
嫌いであることを認めたその瞬間、心が軽くなる
一度自分の中の「大嫌い」を受け入れると、心がふわぁ~っと軽くなっていくのがわかると思います。
「私、本当は嫌いって思ってた!」
「ずっと前からがまんしてた!」
そんな風に気づいて認めた瞬間、それだけで心が浮くように軽くなるんです。
「そうだった!私嫌だと思ってたー!」
そんな風に、心の中がはっきり見えるような感覚を得るかもしれません。
あなたが思ったこと、感じたことは誰にも見えないけれど、そこにある「事実」なんですね。
だからこそ、嫌いな人のことを気にしないようにしたり、無関心になって受け流そうとしたりしても、うまくいかないのです。
事実を捻じ曲げることはできないから。
嫌いなことを受け入れると、うまく回り出す
「私はあの人が大嫌いなんだ!」と一度受け止めてしまうと、不思議なことにそこから徐々に柔軟な対応ができてくることがよくあります。
- 完全に悪い人ではないかもな
- ちょっと神経質になりすぎたかも
- 嫌いなんだからどうでもいいや
- 関係を切ってもいいだろう
こんな風に、自然と割り切ることができたり、最初に言ったような「いいところを探す」といったことができるようになることもあります。
これは心理学の分野では「恐怖突入」といいます。
嫌なものを「嫌なんだ」としっくりじっかり受け止めて、その恐怖に突入することによって事態の全貌が見え、冷静なることができるのです。
ずっと明るいところにいて、突然周囲が暗くなると、真っ暗でパニックを起こします。しかし、その暗闇をじっとみつめて受け入れると、次第に目が慣れてきて、暗がりの中でも冷静に周囲を見ることができるようになりますよね。
嫌い・怖い・悲しみ・不安といったネガティブな感情もこれと同じなんです。
まずは、その気持ちをしっかり味わって、否定しないで受け入れることをいますぐやってみてください。
「陰口を言う人はかわいそう」なんて実際思えない!言われる身になって答えました。
嫌いな感情は消えてなくならない
嫌いな感情を無視したり、気にしないフリをしたりすると、その一瞬だけなんとかやり過ごすことができるかもしれません。
しかし、消えてなくなるわけではないのです。
感情は体の記憶として蓄積していきます。
「嫌なことがあったときは、誰かに話したり泣いたりして、吐き出すことが大事だよ」と言われることって多いですよね。
その理由は、感情というのは消えてなくなるものではなく、身体に蓄積するからなんです。
嫌なことをがまんしたり、不快な環境にい続けることで体の不調が起こるというのは、もはや当然のこと。
人の悪口や、人へのネガティブな発言はどうしても表に出しにくいものですから、せめて自分だけはその「大っ嫌い!」の感情がそこにあると認めてあげなければいけないのです。
どんな時も笑顔で。つらい時こそ笑顔で……はやっちゃダメ!感情を無視しない生き方
「大嫌い」を認めることは、自分や大事な人を守ることにつながる

大嫌いを認めることは、自分だけでなく自分の大切な人を守ることにもつながります。
嫌いな人のことで頭を悩ませていたり、嫌いな人に嫌われないために頑張ることで、そのしわ寄せが周囲の大切な人にいくことがあるのです。
自分が甘えられる人や、自分を受け入れてくれる人に対して、ストレスをぶつけてしまったり、八つ当たりしてしまうということが起こります。
嫌いな人のことを思いやってしまうことで、自分の大事な人にそのしわ寄せがくるなんて、とてもひどい状況ですよね。でも、こうしたことは常日ごろから、多くの人に起こっていることです。
それに実は、とても親密な関係にある人も、今のあなたにとって「嫌いな人」である可能性もあります。
- 親や兄弟
- 夫や妻
- 恋人
- 親友
- 自分の子ども
- 仕事関係
いろいろな人間関係の、どんな関係においても「嫌いな人」はいるのです。たとえそれが、親や自分の子ども、最愛の恋人や夫婦であっても、言えることなんです。
好きになろう、うまくやろうとすればするほど、関係がこじれることも多いし「まさかこの関係性で相手を嫌ってもいいとは思っていなかった……なんてことも、けっこう少なくないんですよね。
嫌いな人への対処法は、まずとことん嫌うこと

嫌いな人への対処法はただひとつです。
とことん嫌って、その感情を味わうこと。
嫌いだと感じていることに、気づくことです。
ただ、一度これをやってみて「嫌い」を味わい尽くすと、その先は心が軽くなったり、視野が広がったりしてうまくやっていく方法がわかったり、距離の取り方がわかるようになることがあるのです。
良い子にならなくていいのです。
あなたの心の中で思うことはいつだって自由なのですから、自分の中だけでは嫌なことや嫌な人のことをとことん「嫌!」と叫んでみてください。/Kandouya編集部
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