kandouya

ネガティブ/マイノリティ専用WEBマガジン

【自己投影】怒りや苛立ちの矛先は、本当はその人には向いていない。イライラと八つ当たりの正体

フォト
Safoora Taimoor
Unsplash

なんだか自分がいつもより苛立っているな、人に優しくなれないな、いつもはイライラしないことが気になるな、、、

パートナーへの不満が高まっているとか、相手が自分に対して嫌なことをしているとか、理解してくれてない気がするとか。そういう風に考える人もたくさんいると思います。でも、その苛立ち、行動だけ見れば相手に向いていても、本当は自分に向いているものではありませんか。

真の矛先は相手ではなく「自分自身」である!?

フォト
複雑なエクスプローラ
Unsplash

誰かに対して苛立ちや不満があるとき、特定の人物との関係性が悪くなってきたのでは?と思いがちですが、よくよく考えてみるとそうではないことって多いなあと私は思うのです。そこには、ただ過ごしているだけでは自分でもわからない本心や実態が隠されており、そのことに気付くかどうかで、相手に対しての見方もずいぶん変わってくるなと感じます。

うまくいかない自分を、弱いものに投影している

たとえば無意識に選別している上下関係を例に出すとしましょう。

自分より確実に弱い人(親から子)

自分よりしっかりしていない人(恋人同士で、男女どちらか)

自分よりもある特定の分野で能力的に未熟な人(仕事上での上司と部下)

など、自分より何かしらの弱さがある人に対して、無意識に「うまくいかない自分への苛立ち」を投影し、本当はそこまで相手を責める事でもないことでくどくど言ってしまったり、これは一種の八つ当たりとも言いますね。

対象の相手に決定的な落ち度がないにもかかわらず、別の場所にある自分へのイライラやうまくいかない情けなさを、相手に対象を変え指摘することで気持ちを和らげているのです。これを自己投影とも言います。

自己投影(じことうえい)するとは?……本当は自分の中にある矛盾や受け入れられない感情を、ある人物や物事に映し出して対象を変えてしまう「自分を守るための心の反応」のことです。

不安や焦りから自分を責めている

では自己投影することは悪い事なのでしょうか。このように自己投影してしまう人のほとんどが、自分の心がつらくなるほど自分を責めてしまう傾向があるのではないでしょうか。つらい気持ちや抱えきれない気持ちをすべて自分の中に閉じ込めると、人は壊れてしまいます。また、大なり小なり、無意識に自己投影することは、どんな人にも起こることであり、特別めずらしいことでもありません。

「どうしてうまくいかないんだろう」「どうしてイライラしてしまうんだろう」と、意識の表面では自分でも分かっているはずなのです。自己投影する人の根はまじめで、悲しいことや辛いことを正面から受け止めてしまうところがあり、それが積み重なることによって、身近な存在に八つ当たりをしてしまうのではないかと考えます。

心の奥底の部分では、不安や焦り、誰にも言えない憤りやつらさを秘めており、相手との関係性の前に掴んだ方が良いポイントは、まず自分自身のそうした苦しみであると言えます。それがアンガーコントロール(怒りの感情との付き合い方)にも繋がっていくのではないでしょうか。

自分とよく似た性質の人に、自分に言いたいことを言っている

特に自己投影しやすい人物とは、やはり自分と全く違う人ではなく、自分に似た性質の人ではないでしょうか。だからこそ、弱い子供(我が子なので似ている、もしくは我が子だから似ているという思い込み)や、過去の自分に似た性格をしている人などを対象にしがちです。

たとえば、若い頃に夢破れてしまい諦めて別の道を歩んでいる人が、同じように夢を追っている若い世代に向かって「お前は甘いんだ」「どうしてもっと強くならないんだ」なんてお説教臭くなってしまうように、その人は過去の自分を若い世代の別の人に投影し重ね合わせることで当時の自分へ言いたいことを言っていることもあるでしょう。

したがって、他人に対して一方的に責めたりくどくどと言ってしまう人は、過去も今もひっくるめて自分をあまり大切にできていない、とも考えられます。自分を大切にできていれば、似た性質の人を見てもイライラしにくいのです。

人と人は鏡である、今自分が相手に言っていることは「自分への言葉ではないか?」と我に返ってみる時間も、大切だと言えるのではないでしょうか。たとえば私は、自分の子供を見ていてなんだかイライラしているな、と思う時は、大抵よく考えると「自分が忙しくしている時」だったりします。こうした気づきを繰り返し、自己投影しないように気を付けています。

甘えたい気持ちが姿を変えている

甘えたい気持ちが姿を変えている、というのは、たとえば自分が苦手なこと、自分が嫌悪感を持つこと、やりたくないと避けて逃げたいと感じることなどがあるとしても

「誰かに本当は助けてほしいけれどこんなことも解決できないなんて情けない」

「もう子供じゃないのだから自立できて当然だ」

「頼りない人だと思われたくない」

「しっかりした姿を見せたい、良いところだけを人に見せたい」

と言う風に自分を追いこんでしまうけれど、その割にはやっぱり心は正直で嘘をつけなくて、誰かに投影してなんとかバランスをとらなければならなくなる……というプロセスがあるということです。

自分の中でのモヤモヤやどうしても納得できないこと、たとえ誰かに笑われてもどうしても苦手な事などを抱えこまずに、完璧主義をやめるともう少し心が楽になっていきます。「ここまでは独りでがんばろう、でもここだけは誰かに頼ろう」と自分を許し、何もかも自分で解決、解消しなくてはならないというプレッシャーをかけないことがポイントです。私もなかなかできない性分なのですが、全部自己完結しないよう、アドバイスや意見を求めたり、ダメかなとは思いつつも小さなことから打ち明けてみるようにして、改善を試みています。

「現実逃避」と言ってしまえば聞こえが悪いですが、「現実逃避したくなるほど頑張っている」と捉えてください。嫌なことを先送りにする癖を少しずつ理解して直していけば、心に余裕ができ、他人にイライラ(自分にイライラ)しないようにもなっていくんだということは、私も日々実感しています。

他人にイライラする、身近な人と衝突が増えてきたら考えたいこと

ここまでのお話を踏まえたうえで、大事なポイントをおさらいしていきましょう。

自分の苛立ちの「対象」をしっかりと見極める

なんだかイライラする、他人に腹が立つ、うまくいかない……そんな時は、まず相手の悪い部分や嫌なところに目を向ける前に、自分の苛立ちの対象がどこにあるのか?深呼吸して見極めてみましょう。

ポイント→苛立ちの対象を「人物」としない。

  • 彼や彼女とうまくいっていないイライラを、気の許せる友達にぶつけていないか→本当の対象は「愛着、信頼関係のつまずき」
  • 夫や妻との衝突や不安が原因なのに、子供にぶつけていないか→本当の対象は「寂しさ、不満」など
  • 仕事でうまくいっていないストレスを、家族にぶつけていないか→本当の対象は「自信のなさ、やるせなさ、わかってほしい気持ち」
  • 不安や心配事を一人で抱え込むつらさを、よく似た性格人に指摘していないか(投影)→本当の対象は「孤独感、強がり」
  • 自分ができないことをさらりとやってのける人が羨ましくて、批判的になっていないか→本当の対象は「自己肯定の低さ」
  • 現実逃避したい、甘えたい気持ちを怒りで表現していないか→本当の対象は「恐怖、不安、疲労」

など、ここに挙げたものはひとつの例ですが、本当に今目の前にいる人に理由があって苛立ちを感じているのかどうか、考えてみることが大事です。そして、対象を見極めてから、じっくりと対処法を選んでいっても遅くはありません。深く考えてみると誰か特定の人物の人格に苛立っているということは少ないという見方もあります。

いつもいつも本質を見つめるのはむずかしく、日々の中で無意識に苛立ちの対象を変えてしまっていることは誰にでもあります。そのこと自体を悪くとらえず、自分の中に対象があるのではないかと考えるだけで、大事な人や関係のよかった相手との衝突を防ぐことにつながります。

怒りっぽい人や苛立ちやすい人は「不安なのだ」と解釈する

自分がイライラして怒ってしまうのとは別に、身近によく怒る、すぐイライラする人がいるというパターンもありますよね。それが原因で自分も伝染したかのようにギスギスしてくる……という方もいると思います。八つ当たりされる側の人もしんどいのです。

ただ、いわゆる「すぐキレるタイプ」「心に余裕のない人」というのは、怒っているように見えて実は「不安で仕方ない人なのだ」と解釈することができます。一見そんな風には見えないことも多いですが、すぐ怒るのは、常に不安で自分自身を受け入れてもらえないと思い込んでいることもあるのです。これは幼少期の体験や感情を抑えつけられて育った人にも見られます。

その核心部分を伝えたくても本人が考えようとしない、向き合ってくれない……こうした悩みが起こってきます。どうしても手が付けられない場合は専門家の力を借りるのも一つの手ですが、「自分が満たされている時は機嫌がよく、不安になるとすぐ怒る」という人であれば、むやみに否定せず気持ちが治まるまでそっとしておいてあげたり、怒っている姿に対して指摘するよりも不安な気持ちに寄り添ってあげるのも手です。

ただし、無理はしないようにしてください。「ああ、不安なんだろうな」と解釈して放っておくのもいいでしょう。

自分のせいにしすぎない

ここまで苛立ちや怒りの対象は自分の心にある、という話をしたのですが、すべてがそうではないことも忘れないでください。もちろん、明らかに相手の問題である場合もあるでしょう。

嫌な感情のすべては、原因は人じゃない、自分のせいなんだと思ってしまうのも危険です。

  • 相手があなたに自己投影をしてきていて、あなたがつらい思いをしている
  • 人に嫌がらせや暴言を吐いている人に腹が立つ、大切な人を傷つけられて腹が立つ
  • 優しく相手しているのに、それでも相手の気分で態度を変えられるのは納得できない
  • あなたが心身に支障をきたすほど相手と向き合っている

など、あなたが苛立ちを覚える原因が「相手」だとはっきり認識できる場合は、自分と相手との距離感をしっかり見つめ直し、必要に応じて離れたり介入しないのも大切です。逆にいえば、あなたに八つ当たりしてくるその人の怒りの原因は、あなたではないということだからです。/kandouya編集部 森花

【自分の問題】自他の境界線を引く方法とは?【相手の問題】

おすすめ書籍《トラウマ・HSP・アダルトチルドレン》

スポンサーリンク

Return Top