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アンガーマネジメントとは?効果あるの?怒りから本質を見つけ、変化する方法

アンガーマネジメントは、日常生活のあらゆる場面で取り入れたい「トレーニング」の一環です。

「怒り」は感情のひとつなので、感じないようにしたり無視したりすることはできません。しかし、うまく扱えるようになるのは十分に可能です。

この記事では、アンガーマネジメントについて基礎的な知識、効果、方法を解説するとともに、怒りの本質や自分自身を発見していくことの大切さについてお伝えしています。

アンガーマネジメントとは何?

Photo by Noah Buscher on Unsplash

アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手く付き合うための心理的トレーニングのことをいいます。

決して、怒りを感じなくさせるのではありません。感じた怒りをそのまま表現してしまうことで、人間関係でのトラブルや信頼関係の崩壊などを防ぐという概念です。

怒りの感情に振り回されないスキルを身につけることで、自分自身、そして周りの人々が心地よく生活したり、人と関わったりすることができるようになります。

なぜアンガーマネジメントが注目されているのか?

近年、アンガーマネジメントの概念が多くの分野で注目されています。

現社会では、従来のように多くの人が集まって共通の価値観を持つ社会から、それぞれが様々な価値観を持つ社会へと変わっています。

職場や人間関係において、自分とは違う価値観を認められず「怒り」を強く感じてしまう人も少なくありません。怒りきっかけとしたトラブルが増えている現状があるのです。

アンガーマネジメントの訓練は、他人との信頼関係の構築や円滑なコミュニケーションを実現するためにとても有効です。

怒りは日々のストレス(苛立ち・不安・さびしさ)によってできるネガティブな感情「第一次感情」とよばれるものから始まります。

怒りは「第二次感情」なのです。つまり、不安やみしさなどの感情一時感情が溜まって溢れでたものが「怒り」ということになります。

一見怒りとは無関係に思える感情が、形を変えて表出していることをまず理解してください。

アンガーマネジメントで期待できる効果とは?

Photo by 傅甬 华 on Unsplash

アンガーマネジメントは、さまざまな分野で活かすことができます。仕事・恋愛・子育て・家族関係など、人と関わるすべてのシーンで効果が期待されているのです。

怒りに任せて行動をしてしまうと取り返しのつかない事態を招くこともあります。怒りに対して冷静に対応するにはどうするべきなのか一緒に考えていきましょう。

子育てや教育現場における効果

子育てや教育現場では、怒りの感情が生まれやすく、ストレスを感じやすいです。

「やり方を何度説明してもできない」

「注意したのに守れない」

「保護者と意見が合わない」

子どもと接する育児や仕事は、思い通りに進まないことが多く、イライラする感情や爆発的な怒りを引き起こしやすくなります。

子どもと接する機会の多い大人は特に、自分自身で興奮を鎮める訓練が必要なのです。アンガーマネジメントで感情の取り扱いを身に着けることによって、重大な問題につながる体罰や暴言を減少させることができると考えられています。

職場でのパワハラやトラブル防止

職場でむやみに怒鳴ったりキレたりする行為は、パワハラやトラブルの原因につながります。

仕事では、年齢や立場、価値観が違った相手とも、問題解決に向けて話し合う姿勢が求められています。意見が食い違いうことも当然あるでしょう。

アンガーマネジメントを身につけていると、感情的にならずに済み、さらに自分の伝えたいことが明確かつ丁寧になります。

職場の人間関係やチームでの活動において「わかりやすく伝える」ことは本当に大切なこと。アンガーマネジメントを追求していくことで「自分が何を伝えたいのか?」もはっきりするため、適切なコミュニケーションをとりやすくなります。

トラブル防止だけでなく、生産性が向上したり、離職率が低下したりする効果も期待できます。

一般的な対人関係における効果

普段の日常生活でも、人間関係のストレスがあります。どんな対人関係でも意見が合わなかったり、不愉快な思いをしたりすれば怒りを感じるものです。

感情のコントロールができないと、どんな人とも、どんな場所でも、コミュニケーションがとりづらくなります。

アンガーマネジメントを行うことで、感情に任せたコミュニケーションではなく、言葉でうまく伝えるように心がける「余裕」が生まれるのです。

アンガーマネジメントの具体的方法は?

Photo by Thought Catalog on Unsplash

ここからは、実際にアンガーマネジメントによって感情をコントロールする方法をいくつか紹介します。取り掛かるのは非常に簡単です。

いざ怒りに直面したときにこの方法を意識できるかどうかが、アンガーマネジメント活用のポイントでもあります。

ストップシンキングの実践

ストップシンキングとは、怒りが起こりそうになった時に心の中で「ストップ!」と呼びかける思考のトレーニング方法です。

頭の中で白紙を想像することで、怒りの感情が収まるまで待ちます。

ストップシンキングの最中は、事の原因も解決策も一切考えないことが大切です。

これは怒りに限らず、ネガティブな思考や被害妄想などが起こった場合にも有効です。

これ以上余計なことを考えないように、意識して思考を停止させるのです。

大人の脳は、約3週間ほどで新しい回路ができるとされています。まずは3週間、意識的にうまくやり過ごすためのトレーニングを習慣づけてみるとよいでしょう。

ストップシンキングを思考のクセのように定着させてしまえば、落ち着きを取り戻し怒りを鎮めたり、冷静に思考したりできるようになります。

6秒間クールダウンする

人は怒りを感じた最初の6秒間に強いアドレナリンが出るといわれています。

怒りを感じたら、前項のストップシンキングをしながら6秒数えてみてください。6秒間だけ、ぐっと感情表現を我慢することによって、ある程度の冷静さを取り戻すことができます。

数字を数えることに意識を集中させることで、怒りのピークをやり過ごすことができるという理屈です。

これが自分の行動パターンとして定着すれば、衝動的な言動や行動を起こしにくくなります。

6秒間数えるだけでうまくいかない場合、意識を向けさせるカウントバックの方法を試してみましょう。

カウントバックとは、数字を大きい方から小さい方へ数えることをいいます。一般的にはカウントダウンと呼ぶことが多いかもしれませんね。

数字を逆から数えるのは、1・2・3・4と普通に数えるよりも難易度が高いものです。より数えることに意識を集中させる必要があるので、カウントバックがとても効果的だとされています。

100からスタートして「13」や「17」などの半端な数字を引き算していく方法もあります。難易度が上がるほど目の前の怒りから意識がそれるため、怒りを鎮める効果が高まるとされているのです。

怒りの内容を書き留めておく

Photo by Aaron Burden on Unsplash

原因となったできごとの詳細を紙に書き出す方法も、かなり重要度の高い方法です。

怒りの内容を書き留めておく手法のことを「アンガーログ」といいます。

アンガーログは、怒りを感じた瞬間に書き留めておくことが重要です。

イライラした時に日時と場所、できごとやその時に思ったことを書き出します。

  • 日時:3/12
  • 場所:職場のデスク
  • 内容:間違った指示が送られてきた
  • 思ったこと:ちゃんと確認してほしい、簡単なミスをしないでほしい
  • 評価:7

場所や状況によってはすぐに記録がとれないこともありますが、スマホでもいいので手が空いたらすぐに記録をとります。日時や状況、思ったことなどを自由に書き、最後にその怒りを点数化します。

0を平穏な心の状態として、10が最大の怒りとします。

今までの怒りの経験と相対的に評価しながら「今の怒りは、以前の怒りに比べると弱いから3点」「この怒りは今までになく耐えがたいものだ、9点!」というように、毎回評価点をつけていきます。

例にあげたアンガーログを見ると、自分が何に怒り、どう思ったのかが一目でわかります。

すると次第に、本当に怒る必要性があったかどうかや、自分が怒りを感じやすいシーンや事柄などの「傾向」に気付けるようになります。

客観性を高めることで、自分の感情や価値観を冷静に捉えられるのです。

その場で書き留めることにより、6秒間の怒りのピークをやり過ごすためのクールダウンにもなるでしょう。

さらにこれを見返すことによって、客観的に見つめる訓練にもなる一石二鳥の方法です。

固定観念や「○○すべき」思考をやめる

人間誰しも「~すべき」という自分の中の常識やルールを持っています。個人差はありますが、この常識やルールが他者の考えと異なった時に怒りが発生しやすくなります。

自分の中にある「~すべき」と他者の発言や行動の間にはギャップが存在することを理解するのが重要です。

前項で紹介したアンガーログには「どう思ったか」という項目があります。紹介した例では、間違った指示を受けたことに対して「ちゃんと確認してほしい」「簡単なミスをしないでほしい」という思いがかかれています。

つまり、この人は「きちんとすべき」「ミスは許されない」「簡単なことで失敗してはいけない」という固定観念をもっていることがわかります。

おそらく、自分に対しても「絶対にミスをしてはいけない」「間違えると大変なことになる」という思い込みをもっている可能性があります。

相手の価値観に対して、自分の考え方との食い違いに腹を立てることもあります。人との違いを発見し、求めすぎないようにすることが大切です。

そのためには、自分が縛られている固定観念を捨て、自分自身を許していくことも必要になるかもしれません。

怒りも必要な感情。上手に扱うのが「アンガーマネジメント」の概念

私たちには、喜怒哀楽の感情があります。どれも必要な感情であり、怒りはときに必要なエネルギー源になるのも事実です。

しかし、不必要な怒りは自分自身を苦しめるだけでなく視界を狭め、コミュニケーションを妨げることになります。他者との関係を壊し、取り返しがつかなくなる可能性もあるのです。

アンガーマネジメントは、すぐに効果がでるわけではありません。しかし、アンガーマネジメントの訓練を繰り返すことは、感情コントロールの面だけでなく、自身を客観視し成長をうながすことにもつながります。

心理学的に怒りの本質を知ること、そして実践できる方法を今日から行動に移してみてください。きっと数週間後、数ヶ月後のあなたの心は、今よりもっと平穏に近づいているはずです。/Kandouya編集部

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