
「そこに、温度がある人たち。」第七回は、「はる@物語で原体験を伝える人」のnoteをご紹介したい。唐突だけど、私今、震えているんです。気温6℃。しかしがっつり暖房の効いたあたたかい部屋で、鳥肌が立っています。
「原体験」とは、今でも心に大きく燻る(くすぶる)幼少の頃の体験の事を指す。誰しもが胸に持っている、体験のことだ。
「私は私を幸せにする」https://note.com/harunomama/n/nc8f5ad5be7f0
「用済みだからあっち行って」
旦那にそれを言われた私は下着すら身に着けておらず、裸のままだった。呆然とその台詞を聞きながら、3テンポくらい遅れて涙を流したのは、もう10年以上前の話だ。長男が0歳の頃のことだった。その一言だけで、本来なら十分離婚理由になるはずだった。「子どもがいるんだから」と我慢していたつもりだった。本音は、怖かっただけだ。家を飛び出して結婚するまでの数年間、経済的に困窮する生活が続いていた。中卒で学もない。仕事のキャリアもない。資格もない。貧困は、精神を蝕む。お金がなければ納豆も味噌も買えない。電気も止められるし、医療にかかりたくともそれすら叶わない。一人ならまだしも、子どもたちにあんな思いはさせたくなかった。その状況を、”私自身が”見たくなかった。
https://note.com/harunomama/n/nc8f5ad5be7f0「私は私を幸せにする」
「この人は魂を削って文章を書いている」それが私の第一の感想である。魂を削ってなんていうとマイナスに聞こえるかもしれないけど、そうじゃなくて逆。自分の人生を、命を削って書いている。そうできるほどに強い思いが、画面からあふれ出して、デスクトップではなく今にも私の心の奥底に自動インストールされそうな思いだ。
文章の価値ってさあ、こういう人の書く文章のこと言うんじゃないかな。私はそう思うよ。
本当は怖さだってあるはずだ。生身の自分で立ち向かうこと、それをしたためること、それを公開すること。「苦労人だから強いんだね」とか言うのは、こういう人に言っても無意味。真に迫る強さは、心の弱さを知っている人にだけあるのだ。だから私は、タイトルに「生身のぬくもりに震えた」と書いた。
世の中のリアルから、逃げない。
「それでも私は、この文章をこのまま公開する」https://note.com/harunomama/n/nc353f0f3aaca
病気や障害を”個性”だと謳うのは容易い。ではその個性故に狭められた選択肢を眺めながら、当の本人がどんな気持ちで生きているのか、想像できる人がどれほどいるだろうか。前向きな言葉しか許されず、反骨心を持たない者は弱者と言われ、日常生活が脅かされる症状を抱えながらも明るく正しく生きることを求められる。
https://note.com/harunomama/n/nc353f0f3aaca「それでも私は、この文章をこのまま公開する」
私のイチオシはこのnoteだ。「それでも私は、この文章をこのまま公開する」。
もういいからとにかく読んでください、kandouyaの読者様ならわかるはずです。伝わるはずです。誰かの文章を読むときに、一呼吸おいて覚悟を決めたのは久しぶりだよ。「流し読み」なんて到底できない。できないんですよ。
正直、はるさんのことは形容しがたい。何者にもしてはいけない気もした。生き様がそこにあった、ってそれに尽きる。涙が出た。言葉に詰まった。届けなくてはならない。そんな気持ちになったのである。
「いつかの自分のために、今日もこうして書き残す。」https://note.com/harunomama/n/n9e7bf78dc3e9
「その痛みを、もう、私に返していいよ。」https://note.com/harunomama/n/n308c6d05927c
「”サバイバー”の現実~痛みの連鎖は、もう要らない。」https://note.com/harunomama/n/nc972d11f56f8
生き抜いた人が振りかざす根性論は、一種の暴力だ。性格も環境も一人一人違うなかで、「私は耐えられた」なんていう一人よがりの自慢は、何の役にも立たない。真っ只中の人がそれを聞いたときに感じるのは、途方もない絶望だけだ。
https://note.com/harunomama/n/nc972d11f56f8「”サバイバー”の現実~痛みの連鎖は、もう要らない。」
はるさん、あなたが書いた文章で誰に何を言われようとも、私は支持し続けるし、あなたの思いをしっかりと受け取った人間の一人として忘れないでください。同じ虐待を受けた経験者としてきれいごとも嘘もうさんくさい二次情報も全部いらない、信用できない。そんな人におすすめしたい「人」です。
はる@物語で原体験を伝える人のnoteはこちら→https://note.com/harunomama (noteでは「はる」)
はるprofile:書くことは呼吸をすること。虐待サバイバー。Night Songs コンテストMuse『Muse賞(グランプリ)』受賞。磨け感情解像度コンテスト『佳作』入賞 。 cotreeアンバサダー。noteは原体験が軸。http://note.com/harunomama プロフのブックカバーは心象風景 @shinshohukei
kandouya編集部/森花