
「そこに、温度がある人たち。」第十二回は、「にわのあさ」さんとnoteをご紹介したい。
「年に一度、家族のアルバムをつくって思い出話をする。」https://note.com/zizyphus/n/n9b55cf582b5c
娘の、家族の写真は、データに埋もれさせたくない。
年に一度印刷に出して、家族アルバムを作る。途中で投げ出さないよう、娘がお腹にいるときに、10年分、つまり10冊のアルバムを買った。
https://note.com/zizyphus/n/n9b55cf582b5c「年に一度、家族のアルバムをつくって思い出話をする。」
家族のことを主に書くにわのあささんのnoteには、愛が溢れていた。……と言うのはカンタンで、大体どんな家族の物語を読んでも当てはめられる感想である。私がにわのあささんのnoteを読んで感じたことは、それ以上の何か切実なもの、そして「細部まで家族のことをよく見ている」こと、「時間は有限であるということの切ない気持ちと大事に思う気持ち」。
一言では表せない、大事な、大事な、家族の何気ない一瞬がしっかりと閉じ込められていた。
いいのかなあ、私が覗いちゃって。なんて少し考えた。いやnoteだから公開してるからいいんだけど。なんていうかな、本当にそこにあるおうちの窓から、ちらっと3人の様子を覗いてるような気持ちになってしまって。甘口カレーのいい香りが漂ってきそうな気がした。娘さんはきっと、「もうできた?」とかかとをぴょんぴょんあげて覗き込むのかなとか。思っちゃうのよ。
もう肉じゃがでもいい。いや、カニクリームコロッケでも…(ただの私の好物
「正しい」がすべてではないことを、知っている母である
私が一番好きな、あささんのnoteはこれだ。
「ふたりで見た白い月は、飛行機が飲みこんだのだ」https://note.com/zizyphus/n/n81fac4bc53e6
「でもさ、ほんとうは、飛行機が飲みこんじゃったんじゃない?」
手を繋いだまま、私の方にくるりと顔を向ける。
「そしてさ、飛行機がはんぶんだけパクッと飲みこんで、そのまま飛行機は飛んでっちゃったんじゃない?」
そうだよね?
https://note.com/zizyphus/n/n81fac4bc53e6「ふたりで見た白い月は、飛行機が飲みこんだのだ」
そう聞いてくる娘の目は、きらきらと眩しくて、私は目を細める。
眩しい。知らないからこそ、今しか感じることのできない純粋さ。
知ってしまうと、答えありきの最短ルートを、頭が敷いてしまうのだ。娘は、その最短ルートをまだよく知らない。
子供の想像力は大人の想像のななめうえをいって、突拍子もないことを言ったり聞いてきたりするものだ。これは「子供あるある」と言えるくらいよくある話。
けれど、大人が知っている「正しい答え」をあえて教えなかったあささんの思いは、わが子が本当の答えをやがて人生の中で知っていく過程を邪魔したくないという親心と、純粋な娘が歩みの中で知っていく姿を背中側から見守っているんだなと思わされる。
「正しい」が「正しくない」こともある。それを知っている「にわのあさ」という母に、じんわりと心がほころぶ。
ありきたりな言葉を言っちゃいます。ええ母ちゃんやなあ。

「3歳の娘が芸能人に恋をした、かもしれない話」
かわいすぎてかわいすぎてかわいすぎてかわいすぎてただひたすらにかわいすぎましたけども、他になんて言えばよろしいんでしょうか。(オイ
家族でいること。子を産み育てること。きれいな部分やかわいい部分、いいなあと思う部分。それは目にうつりやすいけれど、きっとそれだけじゃない。大変な事、どうしようもないこと、やりきれない思い、うまくいかないこと、心配なこと、山ほどあるだろう。
表面だけじゃきっとわからない、その家族なりの葛藤と思いが必ずある。
にわのあささんのあたたかい家族へのまなざしは、その裏面も抱きかかえ、すべてひっくるめた上のものなんだって、少なくとも私にはちゃんと伝わっている。
にわのあささんのnoteはこちら→https://note.com/zizyphus
にわのあさprofile:広島県生まれ。
一貫校で、ぬくぬくとお友達たくさん状態で過ごす。思い出深いことは、小学校→塾、書道、教育実習生。中学校→音楽、本。高校→趣味のHP、UKロック、体育祭。地元が好きすぎて、高校三年生の夏、いちばん早く合否が出るAO入試で県内の大学に進む(正直、浅はかだったと後悔したこともある)。大学4年間は、バイト、ライブ、舞台鑑賞遠征。
2017年に第一子出産、子育て中。
kandouya編集部/森花