
気持ちが下がっているとき、心が弱っているとき、SNSを見てはいけない。
気持ちが不安定なときこそ、SNSで人との繋がりを求めたり、吐き出し口のない気持ちを発散したりすることもあるだろう。でも、少なくともタイムラインは見てはいけない。
なぜなら、気持ちが病んでいるときはすべてがネガティブなものに見え、すべての言葉や人の動きが悪い方に突き刺さってくるからだ。
SNSを見ていて、寂しくなったりつらくなるのは病んでるサイン

SNSが自分の日常の中に溶け込んでいる人は多い。日課のようにtwitterやインスタをチェックするが、見ているだけでなんだか寂しい気持ちになったり、劣等感や疎外感を抱くようであれば、それはあなたの気持ちが病んでいるサインである。
SNSに限らず、普段は何とも感じない人の言葉に動揺したり、人の言葉や動きを深読みして不安になってしまったりすることがあると思う。それはやっぱり、心が疲れていたり弱っていたりするために、ささいな刺激がグサグサと刺さってしまうからなのではないか。
それでも日常は過ぎていく。病んでいるときにさらにSNSのタイムラインを見てしまうと、必要以上の刺激にさらされて、ネガティブなものをキャッチしてしまうのだ。
心が病んでるときにSNSを見ると悪化するメカニズム

心が病むというのは何もメンタルの疾患のことを指すわけではなく、いつもより弱っているときや落ち込みやすい、イライラしやすいといった状況のことである。
女性は周期的に心の状態が不安定になるものだし、男性だって常に一定の精神を保っているわけではない。人の心や体は常に微妙な変化を繰り返しており、月の満ち欠けのように「明」と「暗」をいったりきたりするサイクルがあるのだ。
この「暗」のときを、はっきり自覚できる人ばかりではない。何だか調子が悪い、ささいなことで感情が揺れやすい……そしていろいろ悩んだり、落ち込んだりして、しばらくするとまた「明」に戻っているということも多い。
ネガティブセンサーが敏感になっている
心が病んでいる「暗」の状態のときに、SNSのタイムラインを見ると、あなたの中のネガティブセンサーが敏感に働くようになる。
たとえば……
- みんながキラキラして見える
- 人と自分と比べて落ち込む
- 自分だけ仲間外れにされているような気がする
- 色んな人に嫌われている気がする
- あの人はあの人に「いいね」しているのに、自分にはしてくれない
- またフォロワーが減った……
- この投稿、自分のこと言ってる?
- 自分の苦手な人が人気者でなんかつらい……
いろいろなパターンがあるけれど、深読みしすぎたり、偏り過ぎた思考回路になったり、まったく関係のないことを自分の悪い部分と関連付けて「嫌われた」「仲間はずれ」と感じることもあるのでは。
また、SNSではフォロワー同士のやりとりも公開されているだけに「あの人とあの人は仲がいいのに、自分は……」といった疎外感も抱きやすい。
元気なときや調子のいいときは、楽しく暇をつぶせるSNSだけれど、心が病んでいるときは「自分を突き刺すもの」でしかなくなることがある。
「自分<他人」の意識になっている
心が病んでいると、どうしても「他人はすごくて自分はダメ」という思考パターンになっている。
だから、普段はあまり好きではないタイプの投稿や、嫌いな人の投稿すらも、キラキラと輝いていてすごい人に見えてしまうこともある。
また、自分のアカウントや投稿に対しても自信がなくなって、黙ってしまったり「病みアカ」的な投稿をしてしまうこともある。そしてそれを後悔して、後から消したりすることだってあるかもしれない。
そういう、SNSに一喜一憂している自分もうっとおしくなり、まずます心が病んでしまう。
人の悪い部分が見えやすくなっている
心が病んでいるときは、人の悪い部分も見えやすくなる。
普段交流している人、憧れている人でも、自分のメンタルが不安定だと「信用できない」「適当なこと言って」「自慢っぽい」とかいろいろ、悪いように受け取ってしまうものである。
今まで気にならなかったことにすら「こういうのは嫌い」「そういう言葉はよくない」などと、悪い面にばかり目が行ってしまうことも少なくない。嫉妬のような感情が出てくることもあるだろう。
コミュニケーションをとるのが億劫になっている
心が病んでいるときは、どうしても人とのコミュニケーションが怖くなったり億劫になったりする。
リプライやコメント、DMのやりとりもしんどくなる。そして、返事していないことや返事を億劫に感じていることにまた罪悪感を重ねてしまうこともあるだろう。
しかしそんな自分をよそに、他の人はワイワイとコメントやリプを飛ばし合っている。参加したいけど気持ちが追い付かずにできないでいると、さらに疎外感を覚えて「自分のこと、みんな嫌いだと思っているんじゃないか」という錯覚迄起こす。
もう、気持ちが病んでいるときは、SNSが地獄絵図のようになってしまうわけだ。
病んでるときは、SNSのタイムラインを見ないこと!

病んでいるときは、SNSを閉じよう。SNSを見ていて、変に疲れたりイライラするときは、あなたの心の調子が悪い時期であることを自覚しよう。
「みんな私のこと嫌ってる?」「私って本当にちっぽけな人間……」「みんなが輝いている」
それはぜーんぶ、錯覚だ。あなたの心のエネルギーが足りないだけ、充電不足なだけ。
スマホだってそうだと思うが、充電が残り数パーセントなのに、たくさんのアプリを起動して情報をガンガン取り入れたら電源は落ちるだろう。あなたの心が渇いているだけだから、充電完了すればまたいつでも戻れる。
そんな状況でありながらも、SNSから離れられないともなると、少し依存度が高まっているかもしれないので、これを機にSNSやネットのつながりとの距離感を見直すことも必要だ。
病んでるときに「病み垢」として、SNSに投稿するのは痛い?

SNSに、悩みや愚痴を吐露することで「病み垢」などとされて嫌煙されてしまうこともある。
心が病んでいるときでも、感じることや考えることはたくさんあるわけで、それを投稿して可視化したり、誰かの声を求めたりすることもあるだろう。
この「病み垢」に対してはけっこう世間は批判的だ。
「かまってちゃん」「かわいそうって思われたいの?」「愚痴ばかりでこっちまでうんざりする」
そんな風に言われることも多いが、正直そういうのは価値観の押し付けである。誰かの誹謗中傷をするとか、犯罪的なこと、バカッターと呼ばれるようなモラルに反することでない限り、個人の心の内を自由に書いて何が悪いのだろうか。
かわいそうって思われたくてもいいし、かまってほしいだけでも、いいじゃないか。別に、批判的な意見を言うその人個人にかまってかまってとお願いしているわけでもあるまい、そっとしておいてほしい。
「〇〇するやつは痛い」「〇〇な発言は、かまってちゃん」とか、そういう他人の批判は忘れていい。ただ、SNSを見ているとそういう想像力や配慮のない言葉が自分の病んだ心に、ブスブス刺さってくる。
だから、病んでるときはなるべくSNSを閉じて、好きなお笑いとかくだらない動画や漫画でも見たらいいと思う。
病んでる自分に落ち込み過ぎず、SNSからの刺激を減らそう。

心が疲れるとき、落ち込みやすいとき、何にでもイライラしてしまうときは、誰にでもあるんだ。みんなそういうサイクルを繰り返しているだけだから、今は少しSNSから離れてみてもいいのではないだろうか。
SNSは、人に情報を素早く届けるためや、きれいなものやおもしろいものを広めるためのものである。また価値観を広げたり、普段の生活では出会えない人と交流できたりする「プラス」のメディアでなければならない。
あなたが、病んでまでSNSにしがみつく理由なんてないんだ。普段は楽しいSNSがちょっと重荷になったときは、休養のタイミングを知らせてくれているとでも思っておこう。また普通に、好きなフォロワーさんの投稿を見たり、発信したり、交流できるときがすぐにくるはず。そのためにも、今はアプリをそっと消して、ネガティブセンサーの電源をオフにしておこう。/Kandouya編集部