色々なクライアントと仕事をするようになると、どうしても出会ってしまうのは「高圧的なクライアント」です。webライターも例外ではなく、要するにクライアント側(編集者、構成担当、検品など)と相性が悪いことは、しばしばあります。
書く側(ライター)にとって、モチベーションに大きく関わることであり、あまりにもきつい言い方をされた日にはもう何も書きたくなくなるはず。今回は高圧的なクライアントに出会ってしまった時の対処方法や乗り切り方を伝授するので、スキマ時間にでも読んでみてほしいです。
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webライターを悩ませる、高圧的なクライアントとは?
webライターは、特別な資格や経験がなくても、基礎的な国語力や、最低限のネットリテラシーさえあれば仕事ができます。だからこそ、その「弱み」に付け込んで横柄な態度をとったり、威圧的な扱い方をしたり、非常識な要望をしてきたりするクライアントも多いもの。
クライアント=常識的な企業とは限りません。相手は、右も左もわからない素人ブロガーかもしれない。副業を始めたばかりのサラリーマンかもしれない。効率よく収益化を目指すメディア運営者なども多いです。そうした中で、時にはライターを物のように扱ったり、使い捨てのような雑な扱いをする人も少なくありません。
ライターとして、この道で長く働いてきたいのなら、このようなクライアントには十分注意して仕事先を吟味してほしいです。
依頼内容と実際の仕事が違う
依頼内容や、仕事の募集内容と実際の作業の内容がまったく違っている、ということはよくあること。しかし「せっかく採用されたから……」という惜しい気持ちから、話が違うことにも泣く泣く従うケースが多いです。
また、報酬についても同じです。「初心者歓迎!1文字1円も可能!」と謳っておきながら、契約後に「初心者の方は1文字0.2円スタートです」なんて言ってくる場合も少なくありません。
修正依頼の出し方が怖い
修正依頼の出し方が高圧的だったり、雑で理解に苦しむこともよくあるので注意したいところ。
「この記事じゃ、報酬は払えません」
「〇〇の部分は△△ってわかりませんか?日本語大丈夫ですか?」
一例ではありますが、修正依頼でイライラした文面を送ってきたり、人格否定をするような内容を送ってくるクライアントもいます。
また、校正や編集担当から高圧的なコメントや修正依頼を受けることもしばしば。
「もっとわかりやすく書けないんですか?」
「〇〇の部分、意味不明」
「全然おもしろくない」
こんなコメントをバシバシ書いてくる人も中にはいます。
本来編集とは、ライターが書いた個性を生かしつつ、より伝わりやすい文章に変えていくのが仕事です。個人的な感想や好き嫌いを、原稿のやり取りの中でぶつけられたときは、あまり深くダメージを受けないように心をガードしてください。
条件を後から小出しにしてくる
もともと執筆のみの契約だったはずなのに、あとからあとから要求を小出しにしてくるクライアントも、なかなか多いです。
- 画像選定
- 商品選定
- キーワード選定
- ワードプレス入稿
- 文字装飾
これも「仕事を失うのが怖い」「単価交渉する勇気がない」などの理由から、泣き寝入りして後出しに屈してしまいがちです。
もしも条件の後出しを要求された場合は、しっかり報酬のアップはあるかどうか確認してください。
また、自分の作業スピードと単価が見合うかどうかをしっかり見極めましょう。丁重に確認したり、質問したことに対して高圧的な態度をとってきたり、あやふやな回答しかもらえないようであれば、そのクライアントは要注意といえます。
高圧的なクライアントに出会った時の対処法
1. 感情的にならないこと
まずはどんなに文面がきつくても、ムキになる前に一呼吸置くようにしましょう。一旦画面を閉じて、落ち着いてから返信するのも効果的です。間違っても
「だったらお前が書けよコノヤロー!」なんて言ってはいけません。
大人同士のビジネスでは、感情を出した方が負けですからね。
「大変申し訳ございませんでした。こちらの理解が至らず不快な思いをさせてしまったことお詫び申し上げます!(へッ)」
お腹の中では何を思っても自由ですが、それを出してしまうのは高圧的なクライアントと同等になってしまいます。
感情のぶつけ合いになると今後の仕事にも影響が出るし、何しろ後味が悪いです。今後も仕事を続けるのならなおさら、下手に出ておいた方が自分の精神に優しいでしょう。
2.「どう考えてもおかしい」と感じることは率直に指摘する
高圧的なクライアントは、ときに「どう考えてもおかしい」「理不尽だ」とも思えることを指示してきたり、要求がどんどんエスカレートしてきたりすることがあります。
いちど相手に「この人は、言えば何でもやってくれる」「ちょっとくらい雑に扱っても大丈夫」と思われたら、そこからどんどん搾取されてしまいます。
あなたが直感として「これは絶対におかしい」と感じることや、今までの経験上「理不尽だ」と思えるようなことは、その都度しっかり意見していくことが必要です。
あくまでも、言い方は丁寧に、下手に。メールの場合は、文面でしっかり自分の要望や意見を述べることが重要です。
「私の間違いでしたらすみませんが」
「大変申し上げにくいのですが」
など、最初に一言断りを入れつつ、指摘の内容はしっかり理論が整った書き方をするように心がけましょう。
3.文章で高圧的な修正依頼がくるときは、スクショや動画を希望する
修正依頼が高圧的で、言っている意味が理解できない……。そんなクライアントには「スクリーンショット」や「動画マニュアル」の提示を求めてみましょう。
きちんとした企業クライアントの場合、わかりにくい作業や文章で伝えるのに限界を感じる部分などは、スクリーンショットや解説動画を撮影して送ってくれます。
きちんとしたビジネスパートナーとしてライターを見ているのであれば、ライターがしっかり理解できるような方法と体制を整える必要があるので、こうした作業もクライアントの業務の一環です。
しかし、それをしたがらない、もしくは高圧的な態度で拒否するようなことがあれば、それはただのお金儲けの悪質クライアントだと思っていいでしょう。
指示内容が理解できないときや、高圧的な修正指示がきたときはこの手を使ってみると、相手の品格を決定づけることができます。
4.高圧的な校正を避けるためには、テキトーに言葉を選ばないことも大事
校正や編集担当の人から高圧的な指摘をされるのは、本当に心が痛みますよね。いちどそのような扱いを受けると、次もまた怖い修正依頼が来るのでは……とドキドキしてしまうことも。
そこで、高圧的な編集さんに応戦するには「なぜ、この言葉を使ったか」をちゃんと説明できるように文章を書く、という努力も時には必要です。
これは、決して編集さんをギャフンと言わせるためだけに必要なことではなく、自分自身の文章スキルを高めることにも繋がるからです。
毎日、何千文字、何万文字と流れ作業で文章を書いていると、どうしても文章のクセが強くなったり、ワンパターンな部分が出てきたりします。
また、雰囲気で言葉を選んでしまったり、なんとなく文章を流すようにして書いてしまったりすることもあるでしょう。
もしも、高圧的な編集者に出会った場合「これは、私の文章力を鍛えるチャンス!」とでも思い、言葉や表現に対して、しっかり理由を説明できるような「自信」を自分でつくっていきましょう。
「なんで〇〇って表現なんですか? 意味わからない」と言われたら
「〇〇は△△という場合もあって、××よりも〇〇の方が適していると感じたためです(ドヤ)」
これくらい言えると、スカッとします。それだけでなく、あなたの文章力や言葉のセンスもグッと磨かれます。
仕事を変わっても、他のクライアントから重宝される可能性だってあるのです。
5.高圧的なクライアントでも、やめるときにはしっかりけじめを
高圧的な態度で、嫌な修正依頼を出してくるクライアントに、いつまでも耐える必要はありません。
いくら在宅でできるありがたい仕事だとはいえ、相手の機嫌や好き嫌いなどをぶつけられるなんて、冗談じゃありません。
何度かトライして、それでも変化がなかったり精神的につらいと感じたりしたら、次の仕事を探しましょう。
ただ、どんなに嫌なクライアントでも、最後にばっくれてしまうと「トンずらしたライター」のレッテルを貼られるのはこちら側です。
ひとことでもいいので、必ずクライアントに「今回は辞退させてほしい」との連絡を入れましょう。
また、クラウドソーシングの場合、仕事の途中で契約をキャンセルすることができます。ただし、必ず双方が合意の上でキャンセルの手続きをする必要があります。
その場合、自分に悪い評価がつくのでは……?と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。
「今回は、せっかく採用していただいたのにも関わらず、最後まで尽力できずに申し訳ありませんでした。ただ、私としては〇〇な点や〇〇な点に不信感を抱いてしまったことは事実です。今回は実際にお取引が完了していませんので、評価の方はつけないままでお願いしたく思います。その場合、私の方からも〇〇様の評価はいたしませんので、ご安心ください。」
一例ですが、クラウドソーシングでの取引の場合は、メッセージで「こっちに悪い評価をつけないでくださいね。つけないでくれたら、私もつけませんよ。」という意思を示すのが効果的です。
具体的な仕事のキャンセル方法は、各クラウドソーシングサイトに問い合わせて確認してくださいね。
高圧的なクライアントに屈しないで!楽しくwebライターを続けよう
今回は、高圧的なクライアントにどう対処していくかをお伝えしました。
基本的に文字がメインのやり取りなので、どうしても冷たく感じたり、恐怖感を覚えたりすることがあります。すると必然的に、高圧的な態度や理不尽な要求は、普通以上にライターを委縮させるのです。
クライアントは、その点も踏まえて連絡や修正指示などは丁重なやりとりを心掛けるべきだと感じます。
また、実際に「気を遣ってくれているな」という配慮が感じられるクライアントも、実際たくさんいます。
あなたにとって今のクライアントが、今後どのような存在になっていくかはわかりません。
ただし、仕事がないことや、経験がないことを理由にいいように使われたり、ストレスのはけ口にされたりするようなことが少しでもなくなるといいな、と同じwebライターとして切に願っています。/Kandouya編集部
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