一般的にストレス発散方法として知られている方法も、内向型のHSPにとっては逆に負担となってしまうことがあります。
あなたは普段、どんな方法でストレスを発散していますか?
HSPは、常に多くの情報を受け取り、常にその情報処理に追われている状態。
また、音や光、感触など様々な刺激に対しても過剰に反応しやすいですよね。
そのため一般的なストレス解消法では、効果がないことも多いのです。
内向型HSPは「静」を感じることがストレス発散になる

内向型のHSPは、静かにエネルギーを蓄えることがストレスの発散に繋がる場合があります。
そのため、世間一般で「ストレス解消におすすめ」とされるような行動が、逆に負担になってしまうこともあるのです。
例えば…
- カラオケ
- スポーツ
- 飲み会
- ショッピング
このような世間一般でストレス解消になるとされていることは、体を動かしたり、気分転換をしたり、大きな声を出して発散したりというものが多いですよね。
もちろん、気分転換になることもあるし、こうした場所や娯楽を好む方は大勢います。
しかし内向型HSPの場合、これらはあくまでも娯楽であり、ストレスの解消には繋がらないことも多いのです。
内向型HSPは、エネルギーを充電してストレス発散する

内向型HSPの人は、自分中でエネルギーを生み出して、補給していきます。
具体的な例はこのような感じ。
- アイデアを膨らませる
- 書籍や映画などからインプットを得る
- 自分自身を見つめたり、分析する
- ひたすら眠る
- 静かな環境に閉じこもる
- 黙る
外的な刺激、情報を完全にシャットアウトして、自分の中にある情報を整理する時間。
これが、内向型HSPのストレス発散の方法です。
HSPは、常にたくさんの情報と刺激を受け取って、脳内がフル回転している状態です。
そのため、余暇の時間は外から入ってくるものを遮って、パンパンに詰まった頭の中を整理することが心身の安定に繋がるのです。
鞄の中に、たくさんの拾い物がぎゅうぎゅうに詰まっている状態。
家に帰ったら鞄の中のものを整理して、あるべき場所に戻したり、捨てたりする【整理整頓】の時間が必要。
HSPの脳内は、これと全く同じ状況なのです。
つまり、HSPが非HSPで外向型の人と同じようなアクティブなストレス解消法を実践しても、疲れが取れない、もしくは逆に疲れが増幅してしまうこともあるのです。
気分転換とストレスの処理は別物。
カラオケやショッピング、スポーツなどは気分転換として楽しむのはもちろん良いですが、その分静かに過ごして脳を休ませる時間を多くとることが大事。
休日に気の進まない誘いを受けたり、立て続けに予定が詰まったりすると、HSPはとても疲労してしまうので気を付けておきましょう。
※ひとりの時間や静かな環境を好む内向型HSPだけでなく、刺激を求める外向型【HSS】の特徴を持つHSPもいます。(HSPとHSSの2つの要素を持っている中間型です。)
HSP/HSS中間型の場合も、同じように外に出て刺激を受けた分、人より多くの休養が必要になります。
HSPにおすすめのストレス解消方法

内向型のHSPの方におすすめしたいストレス解消方法を紹介します。
1.お風呂で泣く
泣くことには、絶大なストレス解消効果があります。
抑圧されていた感情を出すことや、涙を物質として排出することでストレスレベルがぐっと下がるのです。
しかし、ただ単に疲れたときやストレスが溜まっただけで、簡単に泣けないという場合も多いですよね。
その場合、体を緊張から解放してリラックスさせましょう。
ぬるめのお風呂にゆっくりつかると、副交感神経が優位となり、リラックス状態になります。
さらに腹式呼吸を意識して、ゆっくり深呼吸し、自分の頭の中の整理を始めましょう。
こうすると、自然に頭と体と心が解れ、抑えていた感情を発散することができます。
2.寝る
HSPは、脳の過剰な情報処理によって疲れてしまいます。
起きているときは常に脳が働いている状態なので、可能な限り眠って脳を休ませる必要があるのです。
HSPは人一倍たくさんの睡眠を確保して、頭を休ませ、リフレッシュさせてあげることが必要。
睡眠不足に陥らないように、常に調整できるといいですね。
HSPにとって眠ることは怠けややる気のなさではなく、必要なメンテナンス。
このことは、一緒に暮らす人、家族などに理解してもらえると安心です。
3.深い思考に浸る
HSPは、自分の中の考えを膨らませることで、エネルギーを補充します。
受け取った情報を整理する、ということにも繋がるため、ぜひ意識して確保して欲しい時間です。
例えば…
- アイデアや構想を練る
- 自分を分析する
- 本や映画の感想を巡らせる
- 空想や妄想にふける
- 何かを作ったり、書いたりという作業に没頭する
- ヨガや瞑想
このように、自分の中から湧き出るアイデアや考えを形にしたり、より深く考えて整理することも、ストレス解消になります。
日記を書いたり、嫌だったことやストレス対象となっていることについて、紙に書きだして可視化することなどもおすすめ。
ヨガや瞑想などは、頭の中を空っぽにしてリセットすることができる為、情報過多になりやすいHSPの脳には最適なストレス発散方法です。
外からの刺激ではなく、自分の中にあるものを形にすることを試してみましょう。
4.信頼できる人と話す
HSPは話すことでストレス発散するよりも、自分を見つめる時間を持つ方がスッキリする場合が多いもの。
しかし、自分の思いを自分の中だけに留めておくだけでは、本当の意味でのストレス発散にはなりません。
誰かに話したり、書いて見せたりして、自分の感情や思考を認知することも必要です。
信頼できる人と語り合う時間、自分が話しやすいと思う人に聞いてもらったり、相談したりすることも時には必要。
決して自分だけで抱えず、誰かを頼ることも重要です。
HSPにとっては、意外なことがストレス解消のカギになる

普通の人がストレス解消にならないこと、楽しいと感じられないことでも、HSPにとっては貴重な時間であり、ストレス処理に繋がるのです。
つまり、ひといちばい個性が豊かだということ。
アクティブになれないことは決して悪いことや劣っていることではなく、向いていないだけなのです。
自分自身がどんなことをするとスッキリするか、どんなことに生きがいを感じるか、今一度確認してみてはいかがでしょうか。
私の場合、こんな感じで疲れをほぐしています。
- 静かな時間、ひとりの時間を確保する
- SNSやブログでの発信で自分の考えをまとめる
- 思ったことや感じたことをメモに残す
- 本を読んで想像を膨らます
こんな、とっても地味な行動が私のメンタルバランスを支えています。
HSPには人一倍多くの休養時間が必要なので、決して無理せず、負担を増やさない工夫を心掛けていきましょう。
(ライター:夏野新)