HSPは複数の音が混ざり合う感覚が嫌だ!

人混みの喧騒や、テレビの音、ラジオのノイズ音、子供や赤ちゃん・ペットの鳴き声、人が発する音。普通に生活しているだけで、常につきまとう音。
HSPは、音への刺激にとても敏感で、大きな音に驚いてしまったり、雑音に疲れてしまうことも多いです。HSPが抱える聴覚過敏や、音の刺激への付き合い方について考えてみましょう。
HSPのあなた、音の聴覚過敏症状ありませんか?

ここではまず、具体例をいくつか挙げてみます。
- カフェやレストランなど、周囲の人の話し声が気になる
- ずっと騒音の中にいるとグッタリしてしまう
- 大きな音に驚く
- ラジオのノイズ音が不快
- 子供のはしゃぐ声や歌う声が苦手
- 複数の音が混ざり合うのが嫌い
- 人が食べる音・鼻をすする音・咳払いなどが異常に気になる
聴覚が過敏なHSPは、長い時間喧騒の中にいるとかなりのエネルギーを消耗してしまいます。
また、複数の音が一度に鳴っている状態も苦手。
- テレビとステレオの音楽が同時に鳴っていると不快
- 複数の人が同時に話している状況が苦手
- 静かな時間が持てないと気分が不安定になる
HSPは一度にたくさんの情報をキャッチしますが、それを処理する能力が低いと言われています。
一度に複数のことを同時進行するのが苦手であったり、一度にたくさんのことが起こるとパニックになったり。音の刺激への対応も同じで、一度に様々な音の情報を受け取ると、激しく消耗してしまうのです。
HSPは大きな音でも、不快に思う音と思わない音がある?

音に敏感なHSPでも、音の種類によって感覚が変わります。それぞれが大きな音であっても、長く続いたり混ざったりしなければそれほど疲労を感じないこともあります。
- 大雨の音
- 雷
- ライブ会場での音楽
音楽や自然の音は、気にならない人が多いのでは。音楽は芸術的な情緒があり、好んで聴くものです。また、自然の音に多少恐怖を感じることはあっても「不快感」「疲労感」を覚える人は、多くない印象を受けます。
HSPが音の刺激とうまく付き合う方法は?

HSPだからと言って、音の刺激を受けないのは不可能です。
生きて生活している以上、音は必要な情報源であり、大切な役割を担います。
そこで、大切なのは
『音から解放される時間』
『不快な音を避ける』
この2点を意識することです。
音から解放される時間
音の刺激を受けるのは避けられないこと。その分、音を聞かない時間を増やすことが大事です。
例えば、1日外で働いてきた場合、ひとりになってから寝るまでの時間はなるべく音を聞かず、静かに過ごすようにします。もしくは、自分が耳にして心地の良い音だけを聞くようにします。
- ヒーリングミュージック
- 揺らぎの音
- 自分の好きな音楽
このように、無音ではなく自分が聴いていて癒される音楽を聴くというのもいい方法です。
音楽やヒーリング音も受け入れない場合もあるので、自分のプライベートタイムには、入ってくる音の量や種類をコントロールし、体調を観察してみましょう。
また、子育て中の方や家族との時間を多く過ごしている人は、自分一人になれる時間がとても短いですよね。
その場合、短くてもいいので無音の時間を作る方が感覚器官がしっかりと休まります。
私は元々音楽が大好きで、移動中や寝る前などに音楽を聴くのが好きでした。
しかし、子育てを始めてからは、毎日耳に入ってくる音が多すぎて負担となるので、日常的に音楽を聴きたいと思わなくなってしまいました。子供や家族と別々に過ごすときは、なるべく無音状態にして感覚器を休ませることを意識しています。
不快な音を避ける
不快な音を避けるのも、HSPには必要な工夫です。
- 友人との食事はなるべく静かなお店を選択する
- 個室を選ぶ
- 音に敏感なことを、周囲の人に相談しておく
外出先などで人の発する音が気になって仕方がない場合には、イヤホンや耳栓などを使いましょう。私は、他人が食事をするときに発する口の音や、鼻をすする音が異常に気になってしまうことがあります。
これは音嫌悪症(ミソフォニア)という障害の可能性もあるので、気になって日常の活動に支障が出る場合は対策を考えてみてください。
音に敏感なHSPは、自分が発する音にも敏感になる?

自分自身が音に対して敏感だと、自分が発する音にも敏感になりやすいもの。
例えば…
- 声が小さくなる
- 音をたてずに歩く
- 話を聞かれていないか気になる
- リアクションが小さい
自分が人の声や、感情の入り混じる大きな音に敏感なので、自分が発する声や音にも細心の注意を払いがち。無意識のうちにやっていることなので、普通に言動するだけでも疲労を感じやすく、ストレスも溜まります。
HSPは感覚器をしっかり休ませケアする時間を設けて

音や光、においなどの刺激は、意識して受けるものではありません。勝手に体が感知し、情報として処理せざるを得ないもの。完全に遮断することもできないし、選別して受けるのも無理な話です。
そこで大事なのは、意識的に「休ませる」ことに尽きます。
例え子供や赤ちゃんの泣き声だって、自分にとって負担だと思ったら「苦手」と感じても良いのです。あなたが感じたその感覚は事実であり、誰にも否定することはできません。
子育てをしている人は、無音の時間を長く保つことは難しいかもしれません。しかし、なるべく静かに過ごせる時間を意識的に持つようにしてみてください。
その場合、不要な音をできる限り消すことも大事です。見ていないテレビを切るとか、習慣的につけていてたカーラジオを切る。子供とのお出かけは雑踏の中ではなく、公園や広場などの屋外を選び、音の刺激を緩和するのも良いと思います。
そんなささいな心掛けで、いいのです。感覚器官をしっかりと休めて、心のバランスを保てるように工夫して見て下さいね。
(ライター・夏野新)